「アジア・新興国」進出を成功させる 海外戦略ワークブック の感想

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本書は、規模や分野が異なる４つの会社からの参加者が、筆者が主催するワークショップに参加してアジア戦略を学び、自社の事業進出プランを作成し自らが責任者としてそれを実行に移す様子を描くことで、読者にとってアジアへの事業進出というテーマを、極めて分かりやすく実践的に伝えている。
ワークショップの各断面において活用されているツールが、極めて良く出来ていると感心したところ、何度も開催されている定番セミナーの内容をそのまま転載した由、研修講師としてチラ見せではないところに筆者の太っ腹が伺える（尤も、現実のアジアはもっと深く多様なところ、セミナーだけでは終わらない展開を読んでいるのかもしれない）。
大企業であれば、取引先のネットワークや銀行その他、ある意味痒いところに手が届くような情報と支援が受けられるのだろうが、その様な環境が望めない中小企業のオーナー、或いは予備検討段階で予算の限られた大企業の事業責任者にとって、手近に良質かつ体系的な情報を得るための良書であろう。内容練度の高さと価格の対比で、高く評価したい。

本書前半では、アジア＝日本であった20世紀の常識を再認識した上で、21世紀のアジアの変貌・現状を知ることができ、日本企業の収益源もアジアシフトした現状を知ることとなり、アジア・新興国進出の成功を痛感させられる。

後半では、規模や分野が異なる４つの会社からの参加者が、ワークショップに参加してアジア戦略を学び、自社の事業進出プランを作成し自らが責任者としてそれを実行に移す様子を描くことで、読者にとってアジアへの事業進出というテーマを、極めて分かりやすく実践的に伝えられていた。紹介されるツールは、社会での調査でも活用したこともありビジネスに直結しやすいツールだと思いました。今後魅力ある市場として更に重要度を増すアジアでの成功に向けた戦略策定のノウハウを、臨場感を持ちつつ痛快に勉強させていただきました。

やはり今後はアジア・世界に目を向けざるが得ないと思います。英語や語学のハンデもあり、土地勘、得体のしれない顧客・市場での戦いだらこそ、仮説に基づく戦略を立て効果的に効率的にアジア・海外での事業を成功させたいものです。また戦略策定のノウハウは、国内のイノベーションにも使えるはずです。私も戦略策定はまだまだ苦手ですが、意識し更に知見を磨き、アジア・海外での事業成功を実現させたいと心に誓いました。