アフリカビジネス入門 ―地球上最後の巨大市場の実像 の感想

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基本的なアフリカビジネスに関する数字・情報が、他の一般向けアフリカ本に比べるとより多く記載されている。
この点、「アフリカに学べ」的なジャーナリストが「気持ち」で書いたアフリカ本よりは、客観性が高い。

中国製品がアフリカでのしているとは聞いていたが、２００２−２００８年のアフリカへの家電輸出統計、

エアコン：中国９１％、日本０．０１％
冷蔵庫　：中国７３％、日本０. ００％
カラーTV :中国８４％、日本０・０４％

というのには驚かされた。

一方、自動車では日本の中古車が大きなシェアを持っているというのは、興味深い。
日本人は世界基準からするとさほど走っていない車を売り新車に乗り換える奇妙な習慣があり、それが日本車の信頼性に相まってアフリカへの日本車供給寄与しているのだろう。これは車や家など、資産価値の下落率が諸外国に比べて高い（何故？）ことにより裏打ちされたものなのだろうが、mottainai話である。

４章にあるアントレプレナー紹介も、具体的でおもしろい。
ただし、全体的に丁寧にまとめるというよりはスピード優先でまとめている感のある内容で、著者自身もアフリカビジネスの経験が豊富とは言いがたい。
しかし、アフリカビジネスについて一定量のボリュームでまとめた類書は少ないので、アフリカビジネス入門書としては貴重な存在だと思われる。

起業やアフリカビジネスの苦労話、アフリカ人とビジネスでどう付き合っていくかについては、本書よりも、
「OUT OF AFRICA アフリカの奇跡 世界に誇れる日本人ビジネスマンの物語 (ＯＵＴ　ＯＦ　ＡＦＲＩＣＡ)」
の方が臨場感が豊富で、より適しているとおもわれる。