辞書に載る言葉はどこから探してくるのか?ワードハンティングの現場から (ディスカヴァー携書) の感想

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タイトル辞書に載る言葉はどこから探してくるのか?ワードハンティングの現場から (ディスカヴァー携書)
発売日販売日未定
製作者飯間 浩明
販売元ディスカヴァー・トゥエンティワン
JANコード9784799314333
カテゴリ人文・思想 » 言語学 » 日本語・国語学 » 日本語研究

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購入者の感想

本書は『三省堂国語辞典』の編纂者である著者が、右辞書に収録・編集するべき言葉を、街角を歩いて探した記録をエッセイとして纏めたものである。著者は「はじめに」において、国語辞典の編纂において「生きのいい現代語を載せる」には、新聞や雑誌、インターネットで集めたような「室内で手に入れた日本語」では不十分であり、「『街の日本語』を網羅的に調べ」て「用例採集」することも重要であるとして、右の「用例採集」の現場記録を紹介すると述べている(7〜11頁)。構成は「用例採集」が基本的に街中を歩いて収集することにあるため、都内を6個のカテゴリに分け(6部構成)、その各々から概ね4つの「街」を選んで採集した記録となっている。右6個のカテゴリは(1)「流行を発信する街」、(2)「ふだん着の商店街」、(3)「昔の面影を残す街」、(4)「混沌と熱気の街」、(5)「高層ビルのある商業地区」、(6)「都心を離れた街」である。都内に詳しい方ならカテゴリ名からおおよその具体的「街」は連想されるかと思うので、細かいところは割愛させて頂きたい。

街角での「用例採集」の具体的方法は至って単純で、看板、標識、商店の立て看板、案内表示、店前広告物、値札、メニュー、とにかく街中で目についた全ての“文字媒体”を対象としている。かかる地道な方法が素朴である以上に、著者の解説・考証が実に客観的・実証的で興味が尽きない。巷間の日本語用法の正誤・是非を単に考察するのではなくて、“辞書に収録すべきか否か”という明確なコンセプトに立って、造語、新語、誤用も含めて目についた言葉を積極的に評価し、あるいはその用法に至ったであろう経緯を、著者の豊富な経験と知見から分析するというスタイルを採っている。かかる解説や考証は、街や習俗、言葉の変遷などの歴史まで実証的になされており、読者を飽きさせないものがある。本書が日本語評論?なのか日本語論のエッセイ?なのかはともかく、かかるスタイルのエッセイ?は目新しく新鮮なものがある。

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