地球の論点 ―― 現実的な環境主義者のマニフェスト の感想

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タイトル地球の論点 ―― 現実的な環境主義者のマニフェスト
発売日販売日未定
製作者スチュアート ブランド
販売元英治出版
JANコード9784862761057
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 地球科学・エコロジー » 環境問題

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スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学におけるスピーチであまりにも有名になった言葉”Stay hungry,Stay foolish”。そのスピーチにおいてジョブズ自身が述べているように、この言葉は『Whole Earth Catalog』という伝説的な雑誌から引用したものである。最終号の裏表紙に掲載されていたそうだ。

その『Whole Earth Catalog』を創刊した人物こそ、本書の著者スチュアート・ブランドである。カウンターカルチャーの文化を築き、スティーブ・ジョブズやエリック・シュミットを魅了し、ハッカー精神を体現した男。そんな稀代のカリスマが、地球という視点から、さまざまなテーマについて論考した一冊である。

◆本書の目次
第1章 地球の趨勢
第2章 都市型惑星
第3章 都市の約束された未来
第4章 新しい原子力
第5章 緑の遺伝子
第6章 遺伝子の夢
第7章 夢想家、科学者、エンジニア
第8章 すべてはガーデンの手入れしだい
第9章 手作りの地球

まず目につくのが大きなテーマの一つとして、原子力が取り上げられているということだ。まったく、なんというタイミングでの邦訳版発売なのだろうと思う。著者自身の原発へのスタンスは、かつては反核であったものの、現在は親核として原発を推進する立場に鞍替えをしている。本書においても、原発の未来をポジティブに論じきっている。

原発を非難する人たちの反対理由は大きく分けると、安全性、経費、廃棄物の処理、兵器への転用という四つに集約される。これらの拒否理由に対して、著者は四つの論理で応戦している。その四つとは発電量の限界点、足跡による風景の変化、ポートフォリオ、政府のコミットメントというもの。電力供給のキャパシティ、発電所の面積については、化石燃料、水力、原子力という三つのエネルギー源における定量的な比較を行い、炭素の排出量、政府の役割という二点についても、具体的な提言がなされている。またマイクロ原子炉、核電池といった次世代型原子炉の動向なども見据えている。その是非はともかく、論考には緻密な印象を受ける。

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