信貴山縁起絵巻―躍動する絵に舌を巻く (アートセレクション) の感想

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参照データ

タイトル信貴山縁起絵巻―躍動する絵に舌を巻く (アートセレクション)
発売日販売日未定
製作者泉 武夫
販売元小学館
JANコード9784096070208
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

 三巻にわかれ、信貴山にまつわる三つの話が描かれた絵巻物「信貴山縁起絵巻」。「伴大納言絵巻」「源氏物語絵巻」とあわせて三大絵巻と呼ばれるものである。鉢に乗って倉が飛んでいったり、帝の病を治す護法童子が瞬時に現われたり、とお話一つ一つもなかなか面白いが、なんといっても絵が凄い。人物の表情も豊かだし、動きもいきている。幽玄ともいえる風景を上手く挟み、巻物という世界でお話を動かしていく作者の工夫もある。飛んでくる護法童子の後ろに伸びる線、その前を転がる輪宝の動きをあらわした線など、今の漫画にもなじみのものではないか。日本のストーリー漫画はこんな時代から始まっていたのだな、と思わせる楽しめる絵巻である。タイトルどおり「躍動する絵に舌を巻く」。

 お正月のテレビ番組でこの特集をやっていたので、教科書的な知識しかなかったこの作品をもう一度じっくりみてみたいと思って手に取ったのがこの一冊である。この絵巻の面白さがしっかり味わえる優れた一冊であった。

 詞書(ことばがき)も活字へ直しただけのものと現代語訳とが載っている。絵巻自体は全体を織り込み見開きに縮小した全容、巻物を繰りながら見たであろうほどの長さ、要所の拡大、と三段階を載せてあり、じっくり味わえるようになっている。説明は細やかでもあるし、書き手の感動や楽しさが伝わってもくる。

 もうあとは、手にとってただただ、楽しんでください、と言いたい。堪能できます。

 これが描かれた時代にはコピー手段などあるはずもなく、楽しめた人はほんの少数に違いない。コピーにしろ、手元で気軽に目にすることができる現代人でほんとによかった。

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