奇想の江戸挿絵 (集英社新書ヴィジュアル版) の感想
233 人が閲覧しました
参照データ
タイトル | 奇想の江戸挿絵 (集英社新書ヴィジュアル版) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 辻 惟雄 |
販売元 | 集英社 |
JANコード | 9784087204407 |
カテゴリ | アート・建築・デザイン » 芸術一般 » 美術史 » 東洋・日本美術史 |
購入者の感想
北斎は、読本(よみほん)の挿絵画家としても一頭地を抜けた天才だったんだなあと、本書に収められた数多くの図版を見て、実感させられました。
地獄の火焔が、うねる白と黒の線として表現された力強さ。幽霊に驚いて逃げ惑う人たちの動き、様子が生き生きと活写された面白さ。お化け屋敷に現れた色んな妖怪たちの表情の多彩さ。身投げする女が落ちていく、その先にある水面に描かれた環状曲線の柔らかさ。絵の中にすーっと引き込まれるような奥行きの深さ。
北斎の挿絵の見事さには、実に目を瞠るものがありました。
北斎以外の絵では、全身にできた口が蠢く妖怪・野風を描いた『天縁奇遇』の口絵が、強烈な一品。グロテスクなイメージの魔力は、凄かったなあ。
その絵に備わる魅力や味わいを、的確に表現していく文章も見事。名著『奇想の系譜』(ちくま学芸文庫)の著者の慧眼、自由自在な考察の妙を堪能することができました。
本書の章立ては、以下のとおり。
■はじめに 江戸後期挿絵の魅力
■第1章 「異界」を描く
■第2章 「生首」を描く
■第3章 「幽霊」を描く
■第4章 「妖怪」を描く
■第5章 「自然現象」を描く
■第6章 「爆発」と「光」を描く
■第7章 デザインとユーモア
地獄の火焔が、うねる白と黒の線として表現された力強さ。幽霊に驚いて逃げ惑う人たちの動き、様子が生き生きと活写された面白さ。お化け屋敷に現れた色んな妖怪たちの表情の多彩さ。身投げする女が落ちていく、その先にある水面に描かれた環状曲線の柔らかさ。絵の中にすーっと引き込まれるような奥行きの深さ。
北斎の挿絵の見事さには、実に目を瞠るものがありました。
北斎以外の絵では、全身にできた口が蠢く妖怪・野風を描いた『天縁奇遇』の口絵が、強烈な一品。グロテスクなイメージの魔力は、凄かったなあ。
その絵に備わる魅力や味わいを、的確に表現していく文章も見事。名著『奇想の系譜』(ちくま学芸文庫)の著者の慧眼、自由自在な考察の妙を堪能することができました。
本書の章立ては、以下のとおり。
■はじめに 江戸後期挿絵の魅力
■第1章 「異界」を描く
■第2章 「生首」を描く
■第3章 「幽霊」を描く
■第4章 「妖怪」を描く
■第5章 「自然現象」を描く
■第6章 「爆発」と「光」を描く
■第7章 デザインとユーモア