葛飾北斎 冨嶽三十六景を読む の感想

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他の人が描いてるように素人の解説です。

「富嶽三十六景」が全図が大きくちゃんと載っている本がほしくて買ったのですが、この解説では悲しすぎます。
なんか色々と調べているようですが、事実や常識と反するところもたびたび見受けられるので、信用できません。

一例をあげると、「相州七里濱」の解説で、
「七里浜は長い砂浜ですから、北斎の描くような高く大きい岬など存在致しません。また海辺の岬の栄養不足の岩場に、このように巨大な樹木が何本も生育出来るはずがありません」などと描いていますが、
七里ケ浜と言えば「小動岬」がモチーフになることは浮世絵を知ってる人なら常識ですし、大正時代の写真にも先端に松を何本も生やしている小動岬の写真も残っています。

「隠田の水車」の解説でも勝手に水車は逆時計回りに廻っていると断定した上で「水車を廻した水が水車の翼板の部分にのって多量に高く昇っていくことは有り得ません」などと描いているが、普通に上かけ式の水車で時計回りに回転してる可能性の方が高いだろ。そうじゃない根拠は書かれていません（おそらく上かけ式の水車を知らない）。

万事が万事こんな感じで、正直全然信用出来ない。
自分も詳しくないことを調べもしないで偉そうに「デタラメ」と書く。有り得ないだろ。
それなのに大体最後には「北斎はできる限りの間違いだらけを描くべく最大限の努力を致しております」「当時の人々は、この様な戯けユーモアを大いに好みました」などで終わる。嘘をつけ！

北斎は細かいディテールと大胆なデフォルメに長けている作家です。
これを見た人が「北斎はでたらめを描いてた」と思われるとたまらないので星は１にしました。

今まで考えて見なかったことが分かり、奥深さに感動しました。他の作品も希望します。