土地の神話 (日本の近代 猪瀬直樹著作集) の感想

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参照データ

タイトル土地の神話 (日本の近代 猪瀬直樹著作集)
発売日販売日未定
製作者猪瀬 直樹
販売元小学館
JANコード9784093942362
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 全集・選書 » 個人全集

購入者の感想

私自身、不動産デベロッパーに勤務する身として東急グループの沿線開発力には非常に魅力を感じています。東京の「東急」と関西の「阪急」には既得権的なステータスがあり、昔も今もこれからも一つのブランドとして残っていくもののように感じます。その確固たる地位を築いた東急ブランドも基は日本資本主義の父親的存在の渋沢栄一からなるものであったことに驚きと納得をしました。渋沢栄一は兜町を日本のベニスにしたかったということを以前聞いたことがあり、田園都市計画についてもそれなりの青写真があったのだと思います。その夢を継いだ渋沢栄一の息子秀雄が造った「田園調布」は東急の五島慶太によっていかにも日本的な高級住宅街へと姿を変えてしまったのですが、それでもその沿線に多くの高級住宅地的なイメージを植え付けた功績は非常に大きかったと思います。五島慶太と並び称される西武の堤康次郎は国立の一橋大学誘致や駅前道路等の功績を残しながら、それ以降沿線開発には力を入れなかったため西武沿線のこじんまりとした町並みとなって今に残っているのだと思います。今の東急グループのイメージからは想像できない五島慶太の強引な経営と渋沢栄一の思い描いた田園都市の姿が本書では絶妙なコントラストとなって非常に魅力的な本になっています。また、猪瀬さんの取材力にも脱帽します。

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