水を守りに、森へ―地下水の持続可能性を求めて (筑摩選書) の感想

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参照データ

タイトル水を守りに、森へ―地下水の持続可能性を求めて (筑摩選書)
発売日販売日未定
製作者山田 健
販売元筑摩書房
JANコード9784480015341
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 地球科学・エコロジー » 環境保護

購入者の感想

自然を大切にしなくては、水はいつでも手に入ると勘違いしていると痛感させられます。安全な水を確保する為に私たちの意識を変えなくては行けないと思いました。

この本は、サントリーの社員である著者がサントリーの工場が地下水を使用していることをきっかけに、その水源の森を守る活動をしようという企画を実践していく物語である。

森のことをほとんど知らない素人だった著者が、林道づくりから始めて30年という長期にわたって、森を再生していく取り組みは、そう簡単ではないことを示してくれるとともに、様々な課題を専門家の力を借りながら克服していく課程が見事に描かれている。

知らなかった知識もたくさん紹介されている。
人口一人当たり降雨量では、世界平均が年に1万9600平方メートルに対し日本では5100平方メートルしかない。
木を植えれれば森の水が増えるわけではない。日本のように雨が多い土地で、水が染み込みやすい土地が出来上がっていることで地下水が育まれる。
根の浅いヒノキだけが育っているような森は、山崩れの危険性が高い。モミやミズナラなどの深い根を張る木とツガやカエデなど細い根をびっしり張る木を組み合わせた山が理想であるという。
などなど。

そして何より、本書の表題を「日本の森が危ない」とした方がいいくらいに、鹿の食害、カシナガキクイムシによるナラ枯れ、竹林の拡大による山の崩壊、マツノザイセンチュウによる松枯れなど永らく続いてきた人間による人工林の放置による弊害が次から次へと出てくる。

また、白州の森では以前から保護を続けてきた鳥が、松枯れを引き起こすマツノマダラカミキリを食べて松を守り、それがウイスキーの芳醇な香りに好影響を与えているというから、著者の活動の意味も間違っていなかったということにもなる。

このような活動をしている著者とサントリーという企業には敬意を表したい。そして、この活動の輪をさらに広げていってほしいと切に願いたい。
そして著者が言うように、自然再生のキーワードは「生物多様性」だとつくづく思う。

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