これまでのあらすじ

『スピンオフ作品』
1章.スピンオフ作品読者1280 評価13 分岐13
2章.病迷悪夢 Wife´s vacation読者375 評価2 分岐1
3章.小虫の思いでとピピンちゃん大ハッスル読者409 評価3 分岐1
4章.愛情たっぷりパワーボム読者298 評価2 分岐1
5章.温泉の魅力に誘われて読者351 評価1 分岐1
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ハゴ
17.08.27
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クサツに部屋を案内された後、二人は早速温泉に向かった。時間帯的に別の場所に遊びに行っているからか、他の客の姿はなく貸し切りだった。

「ジェラネェ、はいこれ。」

モノンはジェラにお猪口を手渡した。反対の手には徳利が握られている。

「…一応仕事中ですし、大体貴方下戸でしょう?」

「そうゆうと思って中身はホットミルクだよーん。」

それなら、とジェラはモノンに注いでもらい一杯口にした。ミルクの甘さが口いっぱいに広がる。ゆっくりと至福の時間が流れるのを感じた。

そういえば、とモノンが口を開く。

「なんか雰囲気似てたね、あの子。」

「…?ああ、アタミさんのことかしら?…確かにそうですわね。」

「…うまくやってるかなぁ。」

「…さぁ、正直あの子は未知数な所が多いですから。」

「あの子」とはジェラとモノンのもう1人の「妹分」…名無しのことだった。



「名無し」は別に本当に名前が存在しない訳ではない。今日に至るまで名前を名乗ってこなかったから「名無し」と定義しているのだ。それほどまでに名無しは寡黙で無愛想だった。

こちらから話しかけない限り話すことがなく、会話したとしても単語で淡々と答えるだけ…夫の元に集う幹部達の中でもかなり悪目立ちしていた記憶がある。

だが決して性格が歪んでいるということではなかった。無くしたジグソーパズルのピースをどこからともなく探しだしたり、お菓子作りが得意で暇なときはよく作って皆で食べたりもした。



しかし、今の二人の隣に「名無し」はいない…それには死別よりも辛い理由があった。



ついこないだまで、ジェラ達は十二騎士団と敵対関係にあった。しかしとある孤島にて対峙し敗北。「自己の生存」を最優先にするモノンは自分の身を守るために、ジェラはそんな彼女に説得されて、夫を裏切り騎士団側につくことになった。

だが名無しは…そんな中で「自爆」という選択をとった。しかし、それだけでは終わらない。

突然現れた幹部の1人によって名無しが復活。そのまま夫の元に残留する形となったのだ。



「人間」と共に歩む道を選んだジェラとモノン。

「化け物」として脅威であり続けることを選んだ名無し。

…もう、交わることはないのだろうか?



「…もしかしたら、案外ばったり会うかもしれませんね。あの子は湯煙のような子ですから…」
「…」

話し込んでるうちに徳利は空になり、辺りが暗くなっている。そろそろ予告していた夕食時だろう。

二人は温泉をあとにした。

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筆者:ハゴ  読者:259  評価:0  分岐:1

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ハゴ さんが投稿した リレー小説 「 湯煙のような「妹」 」クサツに部屋を案内された後、二人は早速温泉に向かった。時間帯的に別の場所に遊びに行っているからか、他の客の姿はなく貸し切りだった。「ジェラネェ、はいこれ。」モノンは…
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