【 奈良岡朋子 】の商品 - P1 - DMMの通信販売

鉄道員(ぽっぽや)
北の果ての小さな終着駅で、不器用なまでにまっすぐに、鉄道員(ぽっぽや)一筋の人生を送ってきた一人の男。一人娘を亡くした日も、愛する妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた…。男の名は佐藤乙松(おとまつ)。今年で定年を迎える乙松は、彼と運命を共にするように廃線が決まった北海道のローカル線の駅長だった。駅を守り続けながらも、かつて愛する妻と幼い一人娘の命さえ守れなかった苦い悔恨は、乙松の心に深く宿っていた。降りしきる雪に汽車が何分遅れようとも、制帽を目深にかぶり、背すじを伸ばして、氷点下30℃近い極寒のプラットフォームに立ち続ける乙松の姿は、まるで自分自身に厳しい罰を与えているかのようだった…。そんなある日、いつものように気動車を見送り、ホームの雪掻きをしていた乙松のもとへ、愛らしい少女がやって来る。見慣れない顔に、この町の子ではないなと思う乙松。「今度一年生になるの!」あどけない笑顔で話す少女の手には、時代遅れの人形が抱かれていた。二言三言の会話を残して風のように走り去ってゆく少女を、目を細めて見送る乙松…。ありふれた日々の、なにげない出来事のように思えたこの出会いこそ、孤独な乙松の人生に訪れた、やさしい時間の始まりだった…。特集: 東映特集


ホタル
「昭和」が終わり「平成」の世が始まったある日、藤枝という男が青森の冬山で亡くなったという知らせに山岡は愕然とする。山岡と藤枝はともに特攻隊の生き残りだった。昭和という時代の後を追い厳寒の雪山を独り歩む藤枝の姿が浮かび、山岡は唇をかみしめる。わずか一月前、故郷の青森から孫娘の真美を連れてはるばる鹿児島の知覧へ来たが、山岡とは会わぬままだった藤枝。毎年冬になると美味しい林檎を送ってくれたあの男がなぜ…友の想いを痛いほど知っている山岡だったが、それでもそう問いかけずにはいられなかった。山岡が22歳の初夏。この鹿児島湾から幾つもの若く尊い命が、重い爆弾を抱えて飛び立った。永遠に帰れない片道飛行。しかし山岡や藤枝のように、役目を果たせず様々な想いを抱えたまま帰ってくる命もあった。そんな命の数々を見つめ続けた人物がいた。山本富子…若者達から愛をこめて‘知覧の母’と呼ばれた女性である。そして40数年後、山岡は富子からある頼みを受ける。体の自由が利かなくなった自分に代わって韓国へ行ってほしい―南の海に散っていった戦友・金山少尉の故郷が韓国だった。本名はキム・ソンジャ。知子の初恋の相手で、結婚を約束した男である…富子は山岡に、金山の遺品である故郷のお面飾りのついた財布を手渡す。そして山岡は、金山からもう一つ大切なものを預かっていた。愛する知子への最期の言葉…特攻が特攻に託した伝わるはずのなかったあの日の言葉は、今もまだ山岡の胸の奥にあるのだった…容態が次第に悪化していた知子が、身の回りをすべて整理してあるのを知り立ち尽くす山岡。その山岡に宛てて藤枝が書いていたノートを、遥々届けに来た孫娘の真美。飛び立つ直前に見せた金山の笑顔…幾つもの人々の想いが、山岡の背を押していた。いつしか山岡の心には男として、夫として、20世紀を生き抜いた人として、ひとつの決意が芽生えていた。特集: 東映特集


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