キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション) の感想

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参照データ

タイトルキャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)
発売日販売日未定
製作者J.D. サリンジャー
販売元白水社
JANコード9784560090008
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

購入者の感想

十代から五十代の現在まで、10年に一度くらい読み返してます。
読む年齢によって、読後感がすごく変わります。
昔は、ホールデンに全面的に共感したりもしたけど、今の年齢で読むと、これだけ感受性のかたまりのようだと生きるのはつらかろうなあ・・・と、ホールデンに対してなんだかせつない気持ちを覚える。そりゃ世の中イヤな奴と頭の悪いボンクラばっかだけど、でも人間ってさ、みんなが君みたいに優秀なわけじゃないんだよホールデン君。そういう感想になっちゃう。
僕もオヤジになったってことか。
作者サリンジャーが、これを書いたあと60年も生きたっていうのがなんだかすごい。

ホールデンは、自分以外の他者を理解出来ない、未熟で短絡的な人々だと考えている。
そして、そういった他者に溶け込みたくないと思いながらも、溶け込んでいない自分も未熟だということを心の奥底では解っている。
その“はざま”でホールデンが何を考え、感じ、話したかがこの本の魅力なんだと思う。

そしてそういった未熟さに思いを巡らせる人の多くは、ティーンに近い世代だからこの本は青春小説というフレーズで度々紹介されている。

野崎氏の訳も読みましたが、野崎氏のホールデンはもっと内的で、でもとても純粋不器用な、ごくごく普通の少年が一生懸命に言葉を紡いでいたように感じたから私は感動しました。

春樹氏のホールデンは、他人とは違う自分として躍起になって言葉を取り繕っている少年に思える。
そういった言葉の使い方は、少し擦れていて、飾り過ぎているかな?と思えました。
だから共感に達しないというか、物足りなく感じてしまっていました。

ホールデンの不器用さを違った形で表現しようとしたのなら、春樹氏の訳は頭から否定出来たものじゃないと思います。

テクストに正解はなく、翻訳に正解はなければ良し悪しで評価を下せるものではない。

どちらが好きか嫌いか、それは読んだ方が決めることです。

私は野崎氏の素直で不器用なホールデンが好きなのでこの評価です。

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