ウィトゲンシュタインの講義 数学の基礎篇 ケンブリッジ 1939年 (講談社学術文庫) の感想

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タイトルウィトゲンシュタインの講義 数学の基礎篇 ケンブリッジ 1939年 (講談社学術文庫)
発売日販売日未定
販売元講談社
JANコード9784062922760
カテゴリ » ジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想

購入者の感想

本書は初期『論理哲学論考』から後期『哲学探究』へ至る過渡期の講義録であり、後期ウィトゲンシュタインを知るための必読の文献である。文庫本での出版を心から喜びたい。「数学の基礎編」とあるが、数学の専門的素養や基礎知識がなくても本書は読めないわけではない。訳注が充実しており、集合論が理解出来れば、本書の論述についていくことは可能である。したがって、数学嫌いの文系人間にも、本書は読んでもらいたい必読の文献である。『青色本』、『茶色本』、『哲学的文法』と同様に、後期への入り口をなす文献である。できれば、本書の解説本も出版してもらいたいものだ。本書は数学的言語ゲーム論を説いた本だ。数学研究ではなく、数学を用いた言語ゲームである。たとえば第1講でウィトゲンシュタインは、円とその右隣に少し離して縦に直線を引く。明らかに円と直線は離れて位置しているが、「この円と直線が接している」と言うことが可能である。ウィトゲンシュタインは、「〈虚点〉(どこにもない点)において、この円と直線が接している」と述べる。まさにこの命題は、数学を用いた言語ゲームである。論理空間上で語ることが出来るのが、数学的言語を用いる利点である。それは『論理哲学論考』の延長上にある思考だ。『哲学探究』へと繋がる思考の原点がここにある。お勧めの一冊だ。

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講談社から発売されたウィトゲンシュタインの講義 数学の基礎篇 ケンブリッジ 1939年 (講談社学術文庫)(JAN:9784062922760)の感想と評価
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