完全講義 民事裁判実務の基礎〈下巻〉 の感想

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参照データ

タイトル完全講義 民事裁判実務の基礎〈下巻〉
発売日販売日未定
製作者大島 眞一
販売元民事法研究会
JANコード9784896288605
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 法律 » 民法・民事法

購入者の感想

本書は民亊事実認定を扱う前半部分と要件事実・争点整理・事実認定の演習問題を扱う後半部分から成っている。
上巻の卓抜した素晴らしさについてはレビュー済だが、下巻も教育的配慮のゆきとどいた良い本である。

前半部分の事実認定については「ステップアップ事実認定」や「民亊訴訟における事実認定」のダイジェストに相当する内容となっており
上巻同様一つ一つ論理を積み上げる明晰な文章で、書証、人証を中心とした事実認定の基本を確認できる。
処分証書の定義につき「よってした」説を採用していたり、「事実認定の対象は争いのある主要事実である」とのみ書かれていたりして
(ステップアップでは「争いのある主要事実についての間接事実・補助事実を含む」と明示されている。こちらのほうが丁寧だろう。)
注意深く読むべきポイントがいくつかあるものの、全体としては極めてわかりやすい。
端的なケースを多用して具体的理解を論理的かつ丁寧にとらせていく点も上巻同様であり
特に二段の推定をめぐる諸問題については本書が一番構造的に整理されているとおもう。

翻って下巻の最大の売りは後半部分の演習問題8件である。
要件事実の問題集としては 要件事実問題集や要件事実論30講の後半部分があるが
本書の演習は 要件事実と事実認定を横断するような設問となっている点に特徴があり
争点整理を踏まえて上下巻の実践的総まとめを立体的に行うといった趣きがあるとともに
解説も会話調を用いる等してわかりやすく工夫されているため 最後の最後まで自習で完走できるものとなっている。
ブロックダイアグラムを示しただけで読者に丸投げして終わるような記述はほとんどなく、
全問につき思考の起点・導線が丁寧に引かれているため、行間を読んで苦しむようなことは全くない。
しっかり手を動かして検討することをすすめる。

なお、初版では事実認定が薄いと言われていたが
2版で上下巻構成を採ることでそのような批判もあたらなくなり最早隙のない構成になった。
事件記録の読み方が丁寧に視覚的に紹介されていたりするあたりも気がきいており

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