終わりのセラフ1 一瀬グレン、16歳の破滅 (講談社ラノベ文庫) の感想

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参照データ

タイトル終わりのセラフ1 一瀬グレン、16歳の破滅 (講談社ラノベ文庫)
発売日2013-01-04
製作者鏡 貴也
販売元講談社
JANコード9784063752793
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » ライトノベル

購入者の感想

五巻まで拝読してのレビューです。

周りがクズばかりでイライラする、などのレビューがありますが、それはその通りで、主人公は分家と言うだけで蔑まれ暴力を振るわれます。
後の巻で分かることですが、先祖が分家にさせられた理由というのがまたひどい(本家の長男の求愛に応えなかったから)。
実力主義ではなく、こういう序列至上主義の学校に無理矢理通わされる分家の当主候補、というのが本作の主人公の立ち位置です。

一巻は実力を隠して目立たないようにする主人公を周囲はストレスの捌け口としてしか見ていないかのような言動が目立ちます。
実際は本家に目を付けられるのが嫌なだけ、という金魚のフンがほとんどなのですが、それを見分けられるようにはなっていません。

「終わりのセラフ」はそういう腐った世界で、まだ幼かった当主候補の少女と主人公の仲が引き裂かれるところから始まります。
当たり前の恋をしたい天才が世界の破滅を目指し、主人公は分家一族から多大な期待を背負いながら、敵だらけの世界で葛藤しながら生き抜いていきます。
ライトノベルの文体でありながら、信じるべきか否かの葛藤の描写は見事で、確証を得られないまま進んでいく主人公の不安や苦悩が伝わってきます。
そんな中で信じるものを選んでいく主人公の道筋を是非とも皆さんにも見ていただきたいなと思いました。

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