ハイキュー!! 4 (ジャンプコミックス) の感想

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参照データ

タイトルハイキュー!! 4 (ジャンプコミックス)
発売日2013-01-04
製作者古舘 春一
販売元集英社
JANコード9784088705552
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック

購入者の感想

このバレーボール漫画には人間離れした超人も超絶技巧もでてこない。愚直にも見える部活漫画である。
そしてもの凄く面白いのだ。
身長と技術と経験が圧倒的に不足しているスパイカーと、桁外れの才能はあるがともすれば独善的なセッターという主人公コンビに軸足を置きながらも、漫画を面白く見せているのはその個人的な能力の鍛錬描写ではなく、関係性のドラマである。

馬の合わない一年主人公コンビがお互いの情熱と真摯さに(自覚的にではないが)共感し協調への一歩を踏み出した一巻、
コンビの開花と新たなチームの始動を描いた二巻、
問題を抱えるエースが悩みながらもチームメイトとの関わり合いを通して再び情熱を取り戻す三巻。
この四巻では、おそらくこれからの好敵手でなるであろう学校との練習試合が描かれ、巧みな試合描写を通してゲームとしてのバレーボールの面白さと個人個人の繋がりから成り立つ有機的なチームというものが魅力的に描かれる。
試合描写は抜群に面白く、それは構図や大ゴマの見せ方や演出という漫画的な技巧だけでなく、戦略性や試合の組み立てといったゲーム要素を丹念にかつ饒舌でなく描かれているからであり、バレーボールをほとんど知らない私にもまるでストーリーを追うように楽しむことができた。

主人公たちの属する烏野高校男子バレー部は、決して一枚岩の仲良しチームではない。
「俺はさ、お前らにオトモダチになれって言ってんじゃないのね(中略)ネットの"こっち側同志"だって自覚しなさいって言ってんのね」(一巻、主将のセリフより)
主人公一年生コンビも四巻になっても未だ「くそテメェ」だし、嫌味な同級生もいて言い争いは日常茶飯事。二年生はお調子者揃いで、三年主将はしっかりもので面倒見はいいが弱気なエースにだけは辛辣だし、若い顧問教師はバレーボールは素人で、女子マネージャーは美人だが超クール(落ち込んだら女子マネに励まされていいカンジ、なんて場面はまったく期待できない 笑)。だがそこがいい。
そんな凸凹なメンバーたちが「ネットの"こっちっ側"に居る全員もれなく"味方"」(二巻、二年のセリフより)に自覚し、ぶつかり、結びついて機能していくさまが感動的なのだ。

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