在日米軍 変貌する日米安保体制 (岩波新書) の感想
参照データ
タイトル | 在日米軍 変貌する日米安保体制 (岩波新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 梅林 宏道 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784004316664 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門 |
購入者の感想
在日米軍の現状について、歴史や地理、世界展開、組織構成などさまざまな視点から総合的にまとめた労作。
米軍に関心がある一読者として常日頃から歯がゆいのは、日本語で読める米軍の情報というのが非常に断片的で、明快な全体像を把握できる書籍が少ないこと。
軍用機や艦船についてのマニアックな知識や、戦略・作戦レベルの抽象理論には触れられていても、細かな組織構成とか航跡・飛行ルートの地図であるとか、運用上の具体的な情報を地道にまとめた上で全体像を提示するという本はなかなか無いのである。
本書はそういう運用面の情報をこれでもかと詰め込んだ本。書籍はもちろんのことウェブサイトなどの断片的な情報も丹念に収集したのだろうが、そうした知識がバラバラになることなく、一冊の本にふさわしい形で凝縮されている。特に太平洋軍についてまとめた辺りは本当に簡潔にまとまっていて、大変勉強になった。強いて言えば、新書とはいえ簡単なビブリオを付けてくれるとありがたかったのだが…
著者は核軍縮の活動を続けてきた人らしく、版元が岩波ということもあってか、思想的な方向性は明確である。米軍への批判的な姿勢も色濃く、後書きに至っては「米国の方が北朝鮮よりも怖い」という趣旨のことまで書いてある。
そういう左派イデオロギー的な部分が気になる人は本書を敬遠してしまうかもしれない。自分も正直なところ読んでいて辟易する感じはあった。でも思想的な部分は素通りして、提示されている情報を拾っていくという読み方でも十分に得るものがあると思う。米軍に関心のあるすべての人におすすめ。
米軍に関心がある一読者として常日頃から歯がゆいのは、日本語で読める米軍の情報というのが非常に断片的で、明快な全体像を把握できる書籍が少ないこと。
軍用機や艦船についてのマニアックな知識や、戦略・作戦レベルの抽象理論には触れられていても、細かな組織構成とか航跡・飛行ルートの地図であるとか、運用上の具体的な情報を地道にまとめた上で全体像を提示するという本はなかなか無いのである。
本書はそういう運用面の情報をこれでもかと詰め込んだ本。書籍はもちろんのことウェブサイトなどの断片的な情報も丹念に収集したのだろうが、そうした知識がバラバラになることなく、一冊の本にふさわしい形で凝縮されている。特に太平洋軍についてまとめた辺りは本当に簡潔にまとまっていて、大変勉強になった。強いて言えば、新書とはいえ簡単なビブリオを付けてくれるとありがたかったのだが…
著者は核軍縮の活動を続けてきた人らしく、版元が岩波ということもあってか、思想的な方向性は明確である。米軍への批判的な姿勢も色濃く、後書きに至っては「米国の方が北朝鮮よりも怖い」という趣旨のことまで書いてある。
そういう左派イデオロギー的な部分が気になる人は本書を敬遠してしまうかもしれない。自分も正直なところ読んでいて辟易する感じはあった。でも思想的な部分は素通りして、提示されている情報を拾っていくという読み方でも十分に得るものがあると思う。米軍に関心のあるすべての人におすすめ。