怒れ、ニッポン! の感想

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参照データ

タイトル怒れ、ニッポン!
発売日販売日未定
製作者丸山健二
販売元眞人堂
JANコード9784904920053
カテゴリ文学・評論 » 文学賞受賞作家 » 芥川賞 » 51-75回

購入者の感想

多少の違和感や寂しさを覚えたのは事実です。
当方はまだ20代ですが氏の著作はほとんど読んでいますし、
多くの感銘を受け、その言葉を大きな励みにもしてきました。

レビューでは案の定批判、非難、失望の嵐ですが、ここでそうしている方も
皆、一様に彼の往年のファンなのだと思います。
でなければ、人気作家として世間一般に認知されているとまではいえない著者の
作品を購入し、わざわざレビューを書くところまでいくはずがありません。

個人的には、震災後に出された直近2冊は彼のキャリアにはマイナスであったと
いわざるを得ないと思います。最近のツイッターやブログなどは、やはり氏の、これまでの
スタンスと大きく乖離するものですし、内容も共感できるとまではいいにくいです。

当方の思うところ、氏の作品の最大の魅力は、混迷の時代において、まず弧に根ざし、強化することによって
個人の矜持を保ち、強く生きていこうという力強いメッセージにあったと思います。
ですが、氏が過去の作品内でも強く反対してきた原発が、あのような惨事に陥ったことで
氏が、これまで個を中心にして我々に語りかけてきたメッセージを、国家や政治に向け始めたことに
我々読者は、違和感や拒絶反応を起こしているのだと思います。

まだ原発反対の問題などがあまりクローズアップされていなかった90年代前半から、作品を通して
その問題性と危険性を明示してきた、氏の先見性は確かなものだと思いますが、だとしても
それみろとばかりに過剰な文体で徒に読者の怒りを煽ろうとする、最近のスタンスは支持しかねるのも事実です。

とわいえ、半世紀近くハイレベルな作品を送り続けている氏の感性が、失われつつあると思うのは早計だと思います。
氏自身も確かに金銭的なことや、衰えゆく肉体に多少の不安もあるのだと思いますが、
エッセイを読む限り創作意欲というものはまだまだ高いものを感じさせます。

誰でも人生において、すこしブレる時もあります。

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眞人堂から発売された丸山健二の怒れ、ニッポン!(JAN:9784904920053)の感想と評価
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