スコット・ロバートソンのHow to Render ： アイデアを明確に伝える　光と影、反射の描き方 の感想

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　本書では、光と影、反射の性質を示し、その描き方を解説することが目的とされています。
　チャプターは以下の通りです。

01 レンダリングとは？ ＋道具と材料
02 光のタイプと影
03 幾何学形状のレンダリング
04 複雑な立体のレンダリング
05 オブジェクトのレンダリング
06 フォトリファレンス
07 反射サーフェス
08 反射：屋内シーン
09 反射：屋外シーン
10 特定の材料のレンダリング
11 作品例

　前半で光と影の物理的性質、遠近法で影を描く方法、オブジェクトのサーフェスに正確な明度を適用する方法が扱われ、後半では反射の物理的性質や、さまざまな材料を描画する方法が説明されています。
　著者は観察力を磨くことと描画の訓練を重ねることを重視しており、各チャプターは主に「観察」と「演習」のパートから構成されています。
　たとえばチャプター02では、まず「観察」として、明度の変化、直接光、ハードライト、間接光、ソフトライト、光の減衰、オクルージョン、エッジライト、ハーフライト、複数の光源、反射光、光芒、空気遠近法といったさまざまの光のタイプが、多くの写真を使って解説されています。
　次に「演習」として、投影の基本、ローカルライトによる投影の構造、太陽光の構造、障害物上の投影法、単純な立体の投影法、突出部の投影法、開口部への投影法、複数の光影による投影法といったさまざまな影の描き方が、豊富な図版を用いて説明されています。
　いずれのチャプターでも、たいへん多くの図版を使用して緻密な解説がなされています。
　著者は冒頭で、「持てる限りの知識で、光、影、反射を描写する方法を解説します」（p.10）と述べていますが、その言葉どおり、懇切丁寧で充実した内容になっています。
　また、パソコン、スマートフォン、タブレットをお持ちの方であれば、オンライン動画へアクセスし、図版の制作過程などを見ることができます（音声は英語です）。
　光、影、反射の知識を学び、描画に生かしたいという方におすすめいたします。