ムージル著作集 第1巻 特性のない男 1 の感想
参照データ
タイトル | ムージル著作集 第1巻 特性のない男 1 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | R. ムージル |
販売元 | 松籟社 |
JANコード | 9784879841247 |
カテゴリ | 文学・評論 » 評論・文学研究 » 外国文学研究 » ドイツ文学 |
購入者の感想
「日記」「書簡集」「生前の遺構」などにちりばめられた、アフォリズム的なことばの背後にある思想を感じながら読むべき大作です。
残念ながら、加藤氏の訳は少々読みにくく、以前出ていた高橋義孝/圓子修平訳の方が良いです。
が、この作品に触れるチャンスが今のところこの本だけ。
想像力を大いに広げて思想を感じましょう。
ストーリーだけ追うような読み方にならないようにご注意あれ!
残念ながら、加藤氏の訳は少々読みにくく、以前出ていた高橋義孝/圓子修平訳の方が良いです。
が、この作品に触れるチャンスが今のところこの本だけ。
想像力を大いに広げて思想を感じましょう。
ストーリーだけ追うような読み方にならないようにご注意あれ!
20 世紀を代表する大作小説の一つ。世紀の変わり目にあたるウィーンを舞台に、これといって特性も信念もない、結婚するわけでもない、生活に困っているわけでもない、才能がないわけでもない、頭が悪いわけでもない、でもじゃあ何かと言われると何があるわけでもなウルリッヒを中心に、これといって大したことは何もおきないという小説。この第一巻では主人公ウルリヒが、ウィーンの文化サロンを席巻する平行運動(なんだかわからないが何かしらオーストリア的なものを称揚すべきであるという運動)に巻き込まれるまで、というべきか。筆致は嫌みったらしく、せりふのひと言でほのめかせばすむ各種の感情の綾をいちいち細かく説明する、ある意味で感傷のないものではある。主人公はほとんどニート状態で、また4巻以降は妹萌え小説になってしまう変な小説で、その意味で現代的だったりもするが、この巻では理屈っぽい書き方が小説の展開を助けていて飽きずに楽しめる。