グローバリゼーション・パラドクス: 世界経済の未来を決める三つの道 の感想
参照データ
タイトル | グローバリゼーション・パラドクス: 世界経済の未来を決める三つの道 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ダニ ロドリック |
販売元 | 白水社 |
JANコード | 9784560082768 |
カテゴリ | ジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学 |
購入者の感想
政治的トリレンマで有名なダニ・ロドリック氏の『グローバル・パラドックス』を読んでみました。さすがに論理に説得力がありますね。
本書のトリレンマを簡単に言うと、(1)グローバリゼーション、(2)国家主権、(3)民主主義、のどれか一つを制限しなくちゃいけないよという話です。さらに本書の意図するところを簡単に解説すると、制限すべきは三つの内のグローバリゼーションですよということです。
この本書の提案は、まともな人なら学問的にも良識的にもほとんどの部分が賛成できると思います。賛成できない人は、卑劣か愚劣かに分類できるわけですね。99%が不幸になっても1%の自分が金持ちであれば良いと考えている人とかね。他には、人間の完成可能性を意識的か無意識的かはともかく信じている人とかね。
ロドリック氏は、(1)を制限した状態を〈改善されたグローバリゼーション〉と呼んでいますが、歴史的には「インターナショナリゼーション」と呼ぶべきだと思います。
他に気になった点としては、ロドリック氏が〈自由貿易は世の習いではない。星の巡り合わせがよく、自由貿易を支持する勢力が政治的にも知的側面においても優位にある時にのみ、自由貿易――あるいはそれに近い状態――は実現するのだ〉というところです。間違ってはいませんが、補足説明が必要だと思います。すなわち、政治的にも知的側面においても優位にある勢力は、自由貿易に持ち込めば得をするということです。そのため、その勢力に最低限の道徳心がなければ、当然の成り行きとして自由貿易を主張しだすわけです。星の巡り合わせを持ち出すのは、少し遠慮が過ぎると思われます。
本書のトリレンマを簡単に言うと、(1)グローバリゼーション、(2)国家主権、(3)民主主義、のどれか一つを制限しなくちゃいけないよという話です。さらに本書の意図するところを簡単に解説すると、制限すべきは三つの内のグローバリゼーションですよということです。
この本書の提案は、まともな人なら学問的にも良識的にもほとんどの部分が賛成できると思います。賛成できない人は、卑劣か愚劣かに分類できるわけですね。99%が不幸になっても1%の自分が金持ちであれば良いと考えている人とかね。他には、人間の完成可能性を意識的か無意識的かはともかく信じている人とかね。
ロドリック氏は、(1)を制限した状態を〈改善されたグローバリゼーション〉と呼んでいますが、歴史的には「インターナショナリゼーション」と呼ぶべきだと思います。
他に気になった点としては、ロドリック氏が〈自由貿易は世の習いではない。星の巡り合わせがよく、自由貿易を支持する勢力が政治的にも知的側面においても優位にある時にのみ、自由貿易――あるいはそれに近い状態――は実現するのだ〉というところです。間違ってはいませんが、補足説明が必要だと思います。すなわち、政治的にも知的側面においても優位にある勢力は、自由貿易に持ち込めば得をするということです。そのため、その勢力に最低限の道徳心がなければ、当然の成り行きとして自由貿易を主張しだすわけです。星の巡り合わせを持ち出すのは、少し遠慮が過ぎると思われます。