バッハ=魂のエヴァンゲリスト (講談社学術文庫) の感想

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参照データ

タイトルバッハ=魂のエヴァンゲリスト (講談社学術文庫)
発売日販売日未定
製作者礒山 雅
販売元講談社
JANコード9784062919913
カテゴリエンターテイメント » 音楽 » クラシック » 18世紀・古典派以前

購入者の感想

氏のバッハ愛には背筋が伸びる思いで、読みました。
そして、いかに深い信仰のなかで音楽を語っているかがわかりました。
信仰の裏付けがあるからこそ語られるバッハの信仰の深さにふれることができるのだと思います。
しかし、その裏付けなしにバッハが語られた時に、音楽はどう聴こえるのだろうか、ということも、知りたいなと思いました。

さまざまな側面からバッハについて学び、音楽をただただ聴いておりましたが、演奏しバッハの音楽の響きに身を委ねるとき、なんともいえぬ感動があります。それについて語ることは、わたしにとって、とても難しいのですが、それが何なのかを、多くの方が残しているバッハについての言葉を読み考えますと、とてもバッハに近づいたような気になりますので、ぜひ探求を続けたいと思います。

19歳の時〈マタイ受難曲〉を聴いて雷に打たれたような感銘を受けた

K 私は人並み以上に音楽に入り込んできた人間ですが、決してバッハの、特に宗教曲の熱心な聞き手でも理解者でもありませんでした。自分にも人生の終わりが見えてきて、バッハをちゃんと聞いておきたいと思っていたのですが、一年ほど前iPhoneに取り込んだ〈マタイ受難曲〉の〈終結合唱「われら涙流しつつひざまつき」〉を真っ暗な部屋で聞いていたら、突然言いようのない感動、身体がブルブル震えるような得体のしれない衝動に襲われました。
礒山 バッハには、そういうことが起こりますね。我執から解放されて、バッハの音楽性に同化できたということでしょうか。私は大学浪人だった19歳の時にカンタータ第78番「イエスよ、汝(なんじ)我(わ)が魂を」のテノール・レチタティーヴォ「ああ、われは罪の子なり」を聞いたとき雷に打たれたような感銘を受け、以来、バッハに没頭するようになりました。
K それはどんな雷でしたか。
礒山 当時の未熟な私を苦しめていた内面の感情、罪の意識というんでしょうか、それをバッハにぐっとつかまれたような気がしたのです。ああバッハも痛みを知っている人だな、と思いました。
K 凡人は、似たような体験をするのに40年の年月が必要でした(笑)。しかもほとんど聞いてこなかった言葉の意味がわからない合唱曲だったからよけいに不思議なんです。
礒山 〈マタイ受難曲〉だったからでしょうね。バッハの中でも特別な力のある曲ですから。でも、クラシック音楽は好きだけどバッハはどうも、という人もいますよね。音楽大学の学生にはとくに多い。
K 本当ですか?
礒山 ピアノで〈インベンション〉を弾かされて、つまずくようです。右手と左手を時間差で動かさなくてはならないので、いやになってしまう。バイエルなどとは原理がまったく違いますからね。あと、宗教曲です。歌詞がドイツ語ですし、キリスト教用語がたくさん出てきてむずかしい、とよく言われます。
K ただ今となっては、バッハの宗教曲に背を向けていた時間が、とてももったいない気がしています。
礒山 日本人のバッハファンは、ほとんど器楽曲から入られますね。精通している方がたくさんおられます。

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