エミリーの求めるもの (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトルエミリーの求めるもの (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者モンゴメリ
販売元新潮社
JANコード9784102113158
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

購入者の感想

言わずと知れた「赤毛のアン」のモンゴメリ。
大槻ケンヂ氏が著書の中で好意を持って「性善説の物語」と呼んだアンの世界。
だがエミリーシリーズは、アンより少し、リアルで複雑な世界。

この時代に、女性が仕事を持つという事。
バッシングあり、無理解あり、妨害あり、苦悩あり。
モンゴメリの経験が語られていると思う。

エミリーが求めるものは、成功ではない。
己の信念が定めた頂上にのぼること、なのだ。
その努力は、たとえ物書きとして名が売れなくても、尊い。

モンゴメリ自身、完璧な人間ではない。
作品の中には、特定の人種に対する偏見の言葉もある。
私たちは、自分が見聞きしたことからしか判断できない。

それでも、この作品は表現しようとする多くの人間に勇気を与えると思う。

日本ではアニメの影響もあろうが、アンを見聞きしたことがない、という人はとても少ない。
アンを知ったなら、エミリーも知ってほしい。

特筆すべきは村岡花子氏の美しい日本語。自然描写が目に見えるよう。
そして表紙絵の美しさ。まるで「風と共に去りぬ」のヴィヴィアンのようではないですか?
(2013年追記:残念ながら肖像画風だった表紙絵は変更されてしまいました)

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