日本共産党 (新潮新書) の感想

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参照データ

タイトル日本共産党 (新潮新書)
発売日販売日未定
製作者筆坂 秀世
販売元新潮社
JANコード9784106101649
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » イデオロギー

購入者の感想

本書が出版された途端、日本共産党は大混乱に陥った。4月19日付「しんぶん赤旗」で紙面1ページ半を割いて反論を大々的に展開し「(筆坂は)落ちるところまで落ちた」(志位委員長)「虚構と妄想」(不破前議長)と、筆坂氏の著作を口汚くののしった。共産党の悪いところは公明党とそっくりで自分に仇なす批判者を絶対に許さず聞くに堪えない読むに堪えないような汚い言葉でののしりまくることだ。自分は絶対に正しいとする「日本共産党の無謬性」は筆坂氏も本書の中で日本共産党の最大の欠点として指摘しているが、今回の日本共産党の慌てぶりを見て、あらためてこの反省とは無縁の自己中心政党の姿を見る思いがした。

日本共産党は病んでいる。一番病んでいるのが財政で、長期低落傾向をたどる「しんぶん赤旗」の売上の下、選挙の度に毎回確実に没収される供託金。それに政党助成金の受け取りを拒否する意固地な姿勢のツケは全部党員にかかってくる。死ぬほど突きつけられる「寄付」「募金」「基金」への拠出。鬼のような「しんぶん赤旗」拡販運動。でもご近所に「あの人、共産党員よ」と知られるのを嫌がる人が激増する中で、こうした負担は既に共産党員であることが満天下に知れ渡っている地方自治体の議員に集中することになってしまうという哀れな構図。

3年前まで日本共産党の最高幹部をしていた筆坂氏による、日本共産党の実情紹介の本である。私も、以前、党の活動に参加していたことがあるので、多くの部分が的を射た指摘であるのがよくわかる。「討論をつくした党大会といいつつ、議案の読了率が3割程度、支部段階での指導部のなり手を探すのに苦労している、次々とくる募金の要請にこたえきれずに苦労する党員たち、というような記述はまさに事実である。

共産党といえども、生身の人間が集まった組織である。時には間違いもし、普通の会社と同じようにトップにはものを言えない体質がはびこったりするのもある意味では仕方ない。逆にいえば、人間らしい一面とも言えなくもない。

なお、しんぶん赤旗のホームページに不破哲三氏らの批判文が載っているが、一部の事実関係の誤りを指摘してそれをもって本すべてがうそであるかのような批判の仕方をしている。こちらも合わせて読んでみると参考になる。

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