常識哲学: 最後のメッセージ (単行本) の感想

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参照データ

タイトル常識哲学: 最後のメッセージ (単行本)
発売日販売日未定
製作者なだ いなだ
販売元筑摩書房
JANコード9784480843036
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » な行の著者

購入者の感想

精神科医にして作家の
なだいなだ(1929-2013)
本名・堀内秀(ほりうち・しげる)
の最後の思索です。

タイトルは『常識哲学』ですが
本書のいちばん大事な点はむしろ
『臨床医の哲学』
にあると私は考えています。
そのタイトルで講演もなさっています。
(講演がもとになって本書が生まれました)

なだいなだの専門は
アルコール依存症の治療でした。
国立療養所久里浜病院などで勤務されました。

母校・慶応大学医学部の精神科教授は
「アルコール依存症は治らない病気」
と定義(?)していました。

事実、いろいろな側面で難しい病気でした。
患者さんや家族を前に
なだいなだはひたすら考え続けます。

「何とかしなければならない。
でも治せないものは治せない。
ではぼくは何をしたらいいのか。
何をなすべきか」

そう考えているうちに、なだいなだは
「これって哲学ではないか」
と気づきます。
大哲学者カントが終生考え続けた命題は
Was soll ich tun? 「何をなすべきか」
です。
奇しくも同じ命題に「必要に迫られて」
到達していました。
まさにこのとき、なだいなだは哲学していたのだ
と私も思います。

難病あるいは難症例を前にして
「これは何か」「何をなすべきか」
と自問自答するのは
すぐれた臨床医である証拠だと思います。

なだいなだが説くように、哲学には
「学ぶ哲学」と「持つ哲学」の2種類があります。
なだいなだのように
生きて行くうえで必要に迫られて考え続けることが
「持つ哲学」であり
大学の哲学科でカントやヘーゲルなどを勉強するのが
「学ぶ哲学」です。
哲学の発展のためには「学ぶ哲学」が必要ですが

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