Evil Under the Sun の感想

アガサファンで（多分）もっとも人気のある愛すべき自己陶酔型探偵、ポアロが扱う事件簿です。美しい海と輝く太陽のふりそそぐ秘境的なリゾート地、レザーコム湾で起こる非道な殺人事件。潮が満ちると孤島となるそのジョリーロジャーホテルには、休暇を楽しむべく来た人々の中にひっそりと、誰にも気づかれずＥＶＩＬ（悪）が存在していた。。

主要登場人物は多くなく、それぞれが個性豊かで、各自独特な話し方をするのでテンポがよく読めます。物語の展開も順序立てになっているので（スパイや政治の話が出ないぶん）、アガサの原書でもわりあい易しいジャンルに入るかな、と。　今回も例にもれず、ポアロが誰も気に留めない小〜さな疑問符を集め、ちゃくちゃくと犯行パズルにはめ込んでいきます。パズルのピースは必ずはまるべきスペースがあり、完成させるにはどうでも良さそうなことも全て、吟味し解明しないといけない、という彼の持論は素晴らしいの一言。現実にはこんな警察or探偵、いたらかなり周囲から浮いてるんだろうなぁ、と思いますが。。あくまでもポアロは完全無欠の人間なので、その辺は深く追求してはいけません！　見事出来上がったパズルの完成品からはアっと！驚く犯人が浮き彫りにされます。

ポアロは星3つ以下には落とせませんって！