南海トラフ巨大地震――歴史・科学・社会 (叢書 震災と社会) の感想

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参照データ

タイトル南海トラフ巨大地震――歴史・科学・社会 (叢書 震災と社会)
発売日販売日未定
製作者石橋 克彦
販売元岩波書店
JANコード9784000285315
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 地球科学・エコロジー » 地球科学

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著者は、『大地動乱の時代-地震学者は警告する』(岩波新書、1994年刊)で、日本が地震活発化の時期に入ったことと巨大地震に備える必要性を早くから警告してきた。また、巨大地震に伴う原発災害(原発震災)についても警告してきた。不幸なことに、これらの警告は的中し、阪神・淡路大地震(1995年)や東北地方太平洋沖地震(2011年)と、ここ20年間で巨大地震が相次いだ。本書は、これからの発生が確実視される南海トラフ巨大地震とそれにともなう「西日本大震災」に備えるために、巨大地震の正体を明らかにしたものである。

第1章では、歴史上の南海トラフ大地震を詳しく振り返る。昭和の大地震である1944年東南海地震から、最古の記録がある684年白鳳地震まで、震度や津波の分布、被害状況、推定震源地域、および現在の地震学の知見から見た地震のメカニズムを明らかにしている。本書によれば、約1400年間において、10回以上の巨大地震があったことになる。中でも、日本史上最大クラスとされる1707年宝永地震は、西日本を広範囲に襲った揺れと津波が凄まじく、日本社会を変える程のインパクトがあったようだ。なお、本書ではあまり詳しく触れられていないが、高知大学岡村眞教授らによる津波堆積物の研究では、この「宝永級大地震」が過去7000年で少なくとも16回、西日本を襲ったとのことである(2014年5月27日付け東京新聞)。

第2章では、最新のプレートテクトニクス研究の視点から、南海トラフ大地震のメカニズムを検討する。著者の考えを交え、南海トラフ大地震と内陸地震の連関を想定することの重要性が強調される。日本列島付近の各種プレートの相互作用は複雑であり、南海トラフ大地震しか考えない対策では、これまでのような「想定外」を生じかねない、という著者の指摘は重要である。

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