愛はなぜ終わるのか―結婚・不倫・離婚の自然史 の感想
参照データ
タイトル | 愛はなぜ終わるのか―結婚・不倫・離婚の自然史 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ヘレン・E・フィッシャー |
販売元 | 草思社 |
JANコード | 9784794205087 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » 生物学 |
購入者の感想
かなり衝撃的なタイトルだが、恋愛の現象を、生物学、人類学、進化論、神経科学などから総合的に理解しようとした意欲的な作品である。進化論的な議論による仮説は、それなりに魅力的だが、それに終始していては机上の空論である。しかし、本書は、そうした仮説を人類学の研究や神経科学(心理学)の実験などを持ち出して検証している。また、恋愛は同時に文化的な問題でもあるが、本書では文化的な背景にも言及されている。内容は平易で読みやすく、それなりに説得力もある。本書を読んでも恋愛上手にはなれないかもしれないが、一歩引いた視点から客観的に見られるようになるかもしれない。学者はこうした話題を取り扱うと信用を失うと考え、避けるものだが、一般人からしてみれば、こうした話題こそ興味の対象でもある。いい加減な本ばかりが出回っているが、本書のような学問的な視点で書かれた本がもう少し増えてくれると面白い。