文庫 「日本国憲法」廃棄論 (草思社文庫) の感想

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タイトル文庫 「日本国憲法」廃棄論 (草思社文庫)
発売日販売日未定
製作者兵頭 二十八
販売元草思社
JANコード9784794220554
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 法律 » 憲法

購入者の感想

独特の研究スタイルと文体の兵頭二十八氏が説く「日本国憲法(マック偽憲法)」破棄論。
国防のためには国民がまとまる中心となる存在が必要で、日本には過去から天皇・皇室という存在があるのだから、その存在を脅かしかねない日本国憲法を破棄し、明治憲法の修正により日本の独立を守ろうという野心的な本です。

数々の著作で、「5箇条のご誓文」に表された近代合理主義を説く著者は、この著作でも同様にその重要性を語ります。一方で儒教色に染まった「教育勅語」については反対しています。
余談ながら、「教育勅語」を重んずる大多数の保守派の方々には、このあたりが受け容れがたいのでしょう。

日本を思い、日本を生き残らせたい著者の、ジョン・ロックから流れる近代精神や合理主義というものが、残念ながら日本人には腑に落ちないのでしょう。
だからこそ、真珠湾をアグレッション(侵略)した日本と、その日本を敵視する大国の意図が、兵頭氏にははっきりと見えるのかもしれません。
兵頭氏の物の見方に立てば、近代の日本はあまりにもナイーブです。だから、彼にとって日本とは、近代精神と野蛮な精神を使いわける諸国と比較して、本当に危なっかしいのでしょう。

それでも日本を思う著者は、懇切丁寧に日本国憲法を破棄すべき理由を説明するわけです。
その理由を分かってもらいたいという思いが、日本国憲法成立のいきさつを非常に詳しく述べるという独自のスタイルになっていて、一見読みにくく思えてしまうところが非常にもったいないと感じます。もっと多くの人に読まれて良いと思うのですが。

日本国憲法のベースとなった思想について、19世紀からの流れを述べたり、H.G.ウェルズの政治的文筆活動(世界政府構想)を絡めたりと、非常に詳細に述べています。
憲法の9条の条文が、実は、日本が自衛の意味も分からずにパリ不戦条約も無視して対米英の侵略戦争を始めたことに対するアメリカの対日政策の結果であるとの説明には、感心しました。

また、対米開戦を伝える有名なラジオ放送「戦闘状態に入れいり」が、法を重んずる欧米からみてどれほど奇異なのか、という解説は非常に参考になりました。

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