古典を読む 万葉集 (岩波現代文庫) の感想
参照データ
タイトル | 古典を読む 万葉集 (岩波現代文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 大岡 信 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784006021276 |
カテゴリ | 古典 » 日本の古典 » 古代・中世文学 » 万葉集 |
購入者の感想
万葉集を“とにかく面白い”とする作者はいうまでもなく広く古今の詩歌にも通じた詩人であるだけでなく、多くの著述がある精力的な方であると理解している。
その大岡氏が“今度の“万葉集”ほど時間がかかった本は一度もなかった”とする。それほど大山脈である万葉集を縦走するのは容易ではないのだろう。しかし、結果として本書は万葉集のエッセンスとしてきわめてバランスがとれ、かつ豊かな感性を伴った叙述となっていると思う。
先ず万葉集を読む際の基本項目に始まり、次に初期万葉の秀歌をいくつか採り上げ、万葉集の魅力に引っ張り込む。そして全体の約4割を柿本人麻呂にあて、この圧倒的な存在感を持つ詩人の姿を存分に描く。そして最後に以後の歌人(憶良、旅人等)を論じ、文芸の発展のなかで“創作”を意識したものとして位置付ける。全体として万葉集の主稜線をしっかり歩き、主なピークを踏破して、踏み外していない。
一読して、例えばもし本書を自分が高校生ぐらいのときに古文の副読本(にちょうどいい分量)として読んでいたら、万葉集に対する興味と関心がもっと早く深まり、理解が進んでいたであろうと感じた。万人に薦められる。
その大岡氏が“今度の“万葉集”ほど時間がかかった本は一度もなかった”とする。それほど大山脈である万葉集を縦走するのは容易ではないのだろう。しかし、結果として本書は万葉集のエッセンスとしてきわめてバランスがとれ、かつ豊かな感性を伴った叙述となっていると思う。
先ず万葉集を読む際の基本項目に始まり、次に初期万葉の秀歌をいくつか採り上げ、万葉集の魅力に引っ張り込む。そして全体の約4割を柿本人麻呂にあて、この圧倒的な存在感を持つ詩人の姿を存分に描く。そして最後に以後の歌人(憶良、旅人等)を論じ、文芸の発展のなかで“創作”を意識したものとして位置付ける。全体として万葉集の主稜線をしっかり歩き、主なピークを踏破して、踏み外していない。
一読して、例えばもし本書を自分が高校生ぐらいのときに古文の副読本(にちょうどいい分量)として読んでいたら、万葉集に対する興味と関心がもっと早く深まり、理解が進んでいたであろうと感じた。万人に薦められる。