サイレンと犀 (新鋭短歌シリーズ16) の感想
参照データ
タイトル | サイレンと犀 (新鋭短歌シリーズ16) |
発売日 | 2014-12-15 |
製作者 | 岡野 大嗣 |
販売元 | 書肆侃侃房 |
JANコード | 9784863851665 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 詩歌 » 歌集 |
購入者の感想
僕はこの歌人の歌が大好きだ。
マーブルの水ヨーヨーが地を叩く 世界が消えるときは一瞬 (8)
旅客機が通過していく前屈に苦戦しているひとの頭上を(58)
僕はこれらの歌に世界全部をイメージできる。良いことも酷いことも起こっているこの世界を。世界を風呂敷に包むように不思議とひと括りに纏めてくれているように感じる。そんな風に提示されることで、何だかこの悲惨でやり場のない世界が、少し扱えるようになった気がするのだ。錯覚だとしても。それは、この歌人が密かに隠し持っている希望が読者にそう思わせるのだと思う。
マーブルの水ヨーヨーが地を叩く 世界が消えるときは一瞬 (8)
旅客機が通過していく前屈に苦戦しているひとの頭上を(58)
僕はこれらの歌に世界全部をイメージできる。良いことも酷いことも起こっているこの世界を。世界を風呂敷に包むように不思議とひと括りに纏めてくれているように感じる。そんな風に提示されることで、何だかこの悲惨でやり場のない世界が、少し扱えるようになった気がするのだ。錯覚だとしても。それは、この歌人が密かに隠し持っている希望が読者にそう思わせるのだと思う。