文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002) の感想

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参照データ

タイトル文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)
発売日販売日未定
製作者長谷川町蔵
販売元アルテスパブリッシング
JANコード9784903951478
カテゴリエンターテイメント » 音楽 » 音楽理論・音楽論 » ポピュラー音楽

購入者の感想

私は2000年代初頭に、80-90年代のhiphopにハマり、聴きまくっていました。なんとなくこのあたりの人たちが好き、というのはありましたがリアルタイムではなかったので、どういう位置づけなのか、どういう関係があるのかは全然知らずに聴いていました。

この本の第2部まで読んで、猛烈ななつかしさを感じると同時に、自分が聴いてきた音楽たちが、きれいに整理されていき、とても気持ち良かったです。正直ここまで読めればいいかなというつもりで買いました。が、第3部が「ネイティブ・タンは面白く聴いていたけど、ギャンスタ・ラップで挫折したという人はけっこう多いはずなんです」と始まり、まさに私だったので、まんまと続きも読み進めてしまいました。

CDガイドにあったCDを押し入れの奥から引っ張り出し、久しぶりにどっぷり聴いています。

気になった点もいくつか。

まず、お二人ともかなりホイッグ史観というか、今に続いている音楽を高く評価する傾向が強いので、残らなかった音楽の説明がやや雑なところですかね(ニュージャックスウィングの扱いとか)。hiphopを「ゲーム」「コンペティション」と置いて歴史を整理しているので、必然的にそうなってしまうのかもしれませんが。

また、基本的に「音楽」という観点からのみhiphopが語られます(これは強みでもあると思いますが)。第一部では、それがどこで流され、どのように消費されているのかについての記述も厚いのですが(おそらく参考文献の厚さ?)、それ以降は触れられても印象・感想レベルです。特にダンスソングとしてのhiphopという観点はほぼ無いので、ダンサーとしてhiphopを聴いていた身としては、片手落ち感を少し感じました。

あと第4部で、せっかく「ヒップホップと女性」というテーマを置いているのに、ここもお二人ともあまり得意分野ではないらしく、深まらないままさらっと表面をなぞって終わってしまいます。惜しい。

私はヒップホップを知りませんが、仕事でそちらの音楽が好きな人と話す事があり、勉強のために購入しました。
何故始まり、今の様になった歴史が本当に分かりやすく書かれてまして、非常に参考になりました。
また、オススメ音楽のほとんどはネットで聞く事も出来ます。
読後、街中を歩く人達のファッションなどに意外にヒップホップから来ている物が多い事にびっくりするとともに、見識が広がりました。

ヒップホップねえ、まあ興味ないことはないんだけど、あのゴールドチェーンしたマッチョが「俺が最強だぜメーン」とか「仲間を傷つけたお前は許さねえぜイェー」はちょっとなあ……という人(つまり私のような)初心者を対象に、ヒップホップの誕生から語り起こし、どの地域でどういうジャンルがあり、ということをわかりやすく論じている。

淡々と概観するだけではなくて、対談ならではの遊び心に富んだやりとりがおもしろい。ラップと政治性・精神性なんかを結びつけて論じたがる人がいるけどそうじゃないよ(そもそも単なる言葉遊びだよ)、というのは爽快だし、ユダヤ人が顔を黒塗りすることで「黒人を演じる白人」を「偽装する」、つまりユダヤ人から白人へと格が上がって云々、というのも興味深い(「偽装」をキーワードにアメリカ音楽史を歴史化する、というのは大和田『アメリカ音楽史』の主題らしい。読もう)。

ほかの音楽ジャンルが好きなだけに、街中で耳にすると気分を害してさえいたヒップホップだけど、これを機にずっと親しみを持つようになった。早くもNas、Eric B. & Rakimあたりはツボか……(ギャングスタ・ラップはやっぱりちょっと時間がかかりそう)

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