ハリガネムシ (文春文庫) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトルハリガネムシ (文春文庫)
発売日販売日未定
製作者吉村 萬壱
販売元文藝春秋
JANコード9784167679989
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » や・ら・わ行の著者

購入者の感想

悪を描ききった作品。

との帯だが個人的にはそうは思わなかった。

単純に「人間」を正直に描いた結果が、悪に写るのではないか。

第129回芥川賞を受賞とのコトだが、芥川賞らしい作品と言うべきか。

内容は、

「ハリガネムシ」「岬行」の二作品からなるが、

やはり強烈な印象を残すのは「ハリガネムシ」の方。

教師である主人公は、ソープランドで知り合ったサチコと、

ほぼ済し崩し的に同棲生活を始め、徐々に異常性を増していく。

次第にエスカレートする暴力への衝動は、

自殺未遂の手首の傷に自ら指をもぐらせ、穴をうがつ、といった行動に発展する。

主人公はじめ、登場人物の異常性のみが目立つように感じるが、

なぜかそれが自然の行為のように感じてしまう。

それは単なる「悪」ではなく、人間の根本的な欲求や行動を描いているからかもしれない。

正直、気分が悪くなる小説ではあるが、

単なるエログロとは違う、「人間」というものを考えさせられる作品。

個人的に読んで良かった作品だと思う。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

ハリガネムシ (文春文庫)

アマゾンで購入する
文藝春秋から発売された吉村 萬壱のハリガネムシ (文春文庫)(JAN:9784167679989)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.