カール・シュミット入門講義 の感想
参照データ
タイトル | カール・シュミット入門講義 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 仲正 昌樹 |
販売元 | 作品社 |
JANコード | 9784861824265 |
カテゴリ | 人文・思想 » 哲学・思想 » 西洋思想 » 西洋哲学入門 |
購入者の感想
本書の真骨頂は『政治的ロマン主義』の解説ではないだろうか。シュミット自身の親切で
ない書き方もあって、18世紀のロマン派の知識が相当ないと『政治的ロマン主義』は非常
に理解が難しいが、ミュラーやシュレーゲルの思想のエッセンスについてきちんと仲正先
生が解説してくれているので、シュミットが当時のロマン派の何を問題としていたかが、
はじめて明解に分かったような気がする。
仲正先生も45頁で指摘するとおり、要は、日本の伝統や文化への深い理解もないままに、
「天皇」や「靖国」といった記号にアニメ的な乗りで傾倒する一部のニセ右翼(=シュ
ミットが理解するロマン派)を、本当の保守派が胡散臭く思う。そんな心情がシュミッ
トにはあったということだ。正直、このシュミットの怒りは私もすごくよく理解できる。
さて、後半の『政治神学』『政治的なものの概念』解説は、内容的にもよく取り上げられる
本なので、たいした目新しさはなかった。それでも、下手な解説書よりはよっぽど上手
なんですが・・・。ということで、綜合評価は星4です。
ない書き方もあって、18世紀のロマン派の知識が相当ないと『政治的ロマン主義』は非常
に理解が難しいが、ミュラーやシュレーゲルの思想のエッセンスについてきちんと仲正先
生が解説してくれているので、シュミットが当時のロマン派の何を問題としていたかが、
はじめて明解に分かったような気がする。
仲正先生も45頁で指摘するとおり、要は、日本の伝統や文化への深い理解もないままに、
「天皇」や「靖国」といった記号にアニメ的な乗りで傾倒する一部のニセ右翼(=シュ
ミットが理解するロマン派)を、本当の保守派が胡散臭く思う。そんな心情がシュミッ
トにはあったということだ。正直、このシュミットの怒りは私もすごくよく理解できる。
さて、後半の『政治神学』『政治的なものの概念』解説は、内容的にもよく取り上げられる
本なので、たいした目新しさはなかった。それでも、下手な解説書よりはよっぽど上手
なんですが・・・。ということで、綜合評価は星4です。