武士道 (PHP文庫) の感想
参照データ
タイトル | 武士道 (PHP文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 新渡戸 稲造 |
販売元 | PHP研究所 |
JANコード | 9784569664279 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 文学・評論 |
購入者の感想
日本人の精神構造をかたちづくってきたといわれる武士道(精神)についての定本である。その精神構造について判りやすく解説されている。随所でああそうだったのか、と気づき、思い起こさせてくれる。武士道とは日本人の精神的支柱ともいわれるが、いかに生きるかに思い悩んだとき、この本でその鮮烈な精神構造に触れると、悩みが浄化されるかもしれない。日本人として読んでおかなければならない一書である。
日本は鎌倉時代から江戸時代の大変長期にわたり、一時期を除いて武家が支配する国であった。そして、武士道はその根幹を支えた思想である。ところが、武士道というのは、それそのものが聖書のような経典によって書かれて受け継がれてきたものではない。孔子の教えなども武士道の一部であって、すべてではない。しかも、当時の人たちはもうこの世にはいない。よって、武士道を知らない人がそれを知ろうとすれば、一般的には、「忠臣蔵」などの物語や史実をたどることによって断片的に理解を重ねてゆくか、あとは本書を読むのが手っ取り早い方法ということになる。
本書は、下級武士の家に生まれて海外で活躍した新渡戸が、日本についてあまり知識のない外国人向けに武士道について説明するために元々書いた本である。そのため、皮肉なことに昔の日本のことをよく知らない現代に生きる日本人向けのガイドとしても適した一冊となった。よって、難しそうな本だとしり込みする必要はない。訳も、今を生きる日本人向けにやさしく書いてある。
思想として共感する/しないは個人の問題だが、せっかく長い歴史を持つこの国に生まれたのだから、この国を長期にわたって支えていた思想について説明した本書を人生のどこかで読んでおくことは、無意味なことだとはいえないだろう。少なくとも、教養としては知っておいてもよいことだ。
本書は、下級武士の家に生まれて海外で活躍した新渡戸が、日本についてあまり知識のない外国人向けに武士道について説明するために元々書いた本である。そのため、皮肉なことに昔の日本のことをよく知らない現代に生きる日本人向けのガイドとしても適した一冊となった。よって、難しそうな本だとしり込みする必要はない。訳も、今を生きる日本人向けにやさしく書いてある。
思想として共感する/しないは個人の問題だが、せっかく長い歴史を持つこの国に生まれたのだから、この国を長期にわたって支えていた思想について説明した本書を人生のどこかで読んでおくことは、無意味なことだとはいえないだろう。少なくとも、教養としては知っておいてもよいことだ。