読書について の感想

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参照データ

タイトル読書について
発売日販売日未定
製作者小林 秀雄
販売元中央公論新社
JANコード9784120045400
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 本・図書館 » 図書館情報学

購入者の感想

『読書について』(小林秀雄著、中央公論新社)には、昭和7〜48年に書かれた、読書について、批評について、文化・教養についてのエッセイ17篇が収められている。

日本における文芸批評の第一人者であった小林秀雄に対する好き嫌いは人それぞれであろうが、なるほどと思わされる考察も多い。

「読書について」では、「濫読の一時期を持たなかった者には、後年、読書がほんとうに楽しみになるという事も容易ではあるまいとさえ思われる。読書の最初の技術は、どれこれの別なく貪る様に読む事で養われる他はないからである」と、濫読を勧めている。

「国語という大河」は、面白いエピソードで始まっている。「あるとき、娘が、国語の試験問題を見せて、何んだかちっともわからない文章だという。読んでみると、なるほど悪文である。こんなもの、意味がどうもこうもあるもんか、わかりませんと書いておけばいいのだ、と答えたら、娘は笑い出した。だって、この問題は、お父さんの本からとったんだって先生がおっしゃった、といった」。

「批評と批評家」の「どんな批評を書くにせよ、おお根のところは、批評を書くのではなく、言い度い事が批評になるのだというはっきりした自信がなくてはならぬと思います」という一節、「批評について」の「批評は、作品の背後に人間を見る様になった」、「私達は、相手を語ることによって自己を語り、反省的評言によって相手を論じている、そういう事をやるものである。つまり批評精神の最も根源的なもの、純粋なものと辿って行くと自己批評とか自己理解とかいうものを極限としているという事がわかって来る」という一節には、妙に納得してしまった。私も書評まがいのものを書き散らしているが、対象作品を語る形を借りながら、自分の考えを述べていることが多いからだ。

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