漱石日記 (岩波文庫) の感想

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参照データ

タイトル漱石日記 (岩波文庫)
発売日販売日未定
製作者夏目 漱石
販売元岩波書店
JANコード9784003190029
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 日記・書簡 » 日本文学

購入者の感想

 評者は、かつて漱石に関する本を多少は読んできたから、漱石留学中のことは断片的に知っていることもあったが、本書『漱石日記』を読むことでより深く知ることができた。
 本書は、編者の平岡敏夫氏が『漱石全集』の「日記及び断片」から日記だけを選んで編纂されている。
 巻末の解説で本書において文庫として刊行するスペースにあわせて採録したと記述されている。(日記すべてを本書に収録してはいない)
 が、評者が最も読みたかった「ロンドン留学日記」は、明治33年(1900年)9月8日に横浜から旅立つところから日記を残さなくなった明治34年(1901年)11月13日まですべて収録されていたから興味深く読むことができた。
 なぜ帰国まで一年以上も残して日記を書かなくなったのかを漱石研究家たちが諸説書いたものを読んだことがある。
 親しかった池田菊苗が帰国してから胸襟を開いての話し相手がいなくなったことなど様々に憶測されている。
 漱石がパリを経てロンドンへ10月28日に到着してから日記を終えた翌年11月13日までを読むと漱石が毎日忙しく過ごしていたことを知ることができる。
 ロンドンに着いてから三度目に引っ越したカンバーウェルの下宿の女主人の亭主と二人で女王の葬儀を見に出かけたり、同宿の田中氏と何度も観劇にでかけたり、一人でもあちこちを見学したりしている。
 Craig氏を訪れ講義を受けたり、手紙を書いたり、本を買いに出かけたり、本当に毎日こまめに過ごしていることをこの日記で知ることができる。
 毎日忙しく過ごしていた漱石だが、日本という国をイギリスという先進国から俯瞰して自論を書き残している日記を下の・・・内に転載したい。

英国、天皇家、家庭をときにイラつきながらぶった切る、
公開を前提としては絶対に書かれえなかった漱石の息遣いが
見事に伝わってきます。
100年以上前の漱石のスタンスは現代でも十分に通用する
奥行きのあるものといえるでしょう。
文庫ということで学生や昔の文学青年向けかもしれませんが
読む価値の十分ある優れた本です。

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