動物を守りたい君へ (岩波ジュニア新書) の感想

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参照データ

タイトル動物を守りたい君へ (岩波ジュニア新書)
発売日販売日未定
製作者高槻 成紀
販売元岩波書店
JANコード9784005007554
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » 動物学

購入者の感想

 この本で、我が家では初めての試みとして、うちの小学生中学年の子供たちに中高生向けのジュニア新書を読み聞かせしてみました。そうしたところ結果的に我ながら素晴らしいと思える教育的効果があげられたので、今後もこのような本を探してぜひまた読み聞かせに使ってみたい、と思うまでの良書でした。
 本書の何がそんなに良かったかというと、まず話題が子供たちにとってわかりやすいところから始まっているということです。子供たちも「動物を大切にしたい」という気持ちは当然持っています。さらに植物の受粉や動物の生態の話などは、授業でも断片的に少しずつ習っていることなので、全然わからない話ではありません。それで本書の良いところは、それらの断片的な理科や社会の知識が、筆者の実体験や具体的な地名によって肉付けされ、深められ、つなげられていくことです。理科の別の単元で習ったことがつなげられたり、理科で習ったことと社会で習ったことがつながったり、本書を読むとまるで社会科見学に行ったかのような効果があります。動物を大切にするという身近でわかりやすい話が、東北大震災、福島やチェルノブイリの原子力発電所の事故や、高度経済成長期の環境破壊までいつのまにかひろがっていくので、無理なくそこまで興味を持続することができます。東北大震災に関連して「ナラの木」の詩も良かったです。その詩が本書に全編転載されていなかったのはやむを得ないことでしょうが残念だと思いましたが、すぐにウェブ検索して見つけることができました。地方版の訳も見つけられたし、盛岡版の朗読をyoutubeで見つけることもできました。動物からは脱線とはなりましたが、方言に触れる機会ともなりました。
 画像を検索して見せたりクイズを交えたりなんかして、「ちょっとコレ楽しくてためになる授業になっちゃってんじゃないの」と自己満足までしてしまいました。子供たちの感想も「動物や自然の間にリンクがあるというのがよくわかった。アイヌの人たちが昔から地球は人間だけのものでないことを知っていたというのに感心した」など読書感想文のお手本みたいな感想を述べていました。お勧めです。

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