北海道 地図の中の鉄路 の感想

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参照データ

タイトル北海道 地図の中の鉄路
発売日販売日未定
製作者堀 淳一
販売元亜璃西社
JANコード9784906740130
カテゴリジャンル別 » 歴史・地理 » 地図 » 日本地図

購入者の感想

北海道大学で物理学の教授を務めた堀淳一(1926-)氏による素晴らしい趣味本である。同じ出版社から2012年に刊行された「地図の中の札幌: 街の歴史を読み解く」も面白かったが、趣味性と言う点では同等かそれ以上といったところだ。

本書の内容は、現存する北海道のJR線(海峡線と2014年に廃止された江差線を含む)について、地形図と照らし合わせながら、その線形の面白さや、車窓を読み説いていく、というものである。路線は「全線の開通年代順」に、以下の様に並べられている。1) 富良野線 2) 函館線 3) 根室線 4) 留萌線 5) 千歳線 6) 室蘭線 7) 宗谷線 8) 釧網線 9) 石北線 10) 札沼線 11) 日高線 12) 江差線 13) 石勝線 14) 海峡線。こうして書いてみて、現存線で全線開通が一番早かったのが富良野線だったというのは、私もなかなか意外だった。それにしても、北海道の線路は随分を減ってしまった。美しい車窓風景が見られた羽幌線、興浜北線、名寄線、湧網線、士幌線、深名線、万字線、胆振線、富内線、松前線、その他多くの線路が、失われてしまった。

本書の内容に戻ろう。本書では路線ごとに、まずは20万分の1地形図でその全貌を紹介し、要所要所で、新旧の5万分の1及び2万5千分の1地形図を引用しながら、解説を加える方法で記述が進められていく。(各地図は、転載の際に適宜拡縮が行われているが、その比率もきちんと記載してある)。

線路を辿って地形を読み解く、という試みが面白くなるのは、鉄道の地形的制約が大きいことに由来する。回転半径、上り勾配には限界があり、工事の省力化と、目的地到達の短時間化の折衷案として路線が決定されていく。川を渡るには効率的に架橋する角度も検討しなくてはならない。さらに集落には駅を設ける必要があるが、駅の設置にはある程度の広さの平坦な場所が不可欠だ。だから、線路の線形を辿るということは、当地の地勢学や地誌そのものを検討することに繋がっている。

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