まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトルまほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)
発売日販売日未定
製作者三浦 しをん
販売元文藝春秋
JANコード9784167761011
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » ま行の著者

購入者の感想

 三浦しをんさんの文庫最新刊です。
 箱根駅伝を描いた「風が強く吹いている」で更に爆発的に知名度をあげた彼女ですのでいまさら紹介をしなくてもいいかと思いますが、彼女は作品や内容によって文章のスタイルががらりと変わる方です。シリアスなタッチから軽妙なもの、そしてエッセイでの破壊力満点の語りのスタイルまで自由自在にタッチやスタイルがかわります。
 本書は、その中ではわりあいとかっちりとしたスタイルで書いた小説になると思うのですが、基本設定と話の運びがユーモアたっぷりなので、読みやすかったです。
 主人公は、多田というバツイチの便利屋と、真冬の寒い日にバスのベンチで再会したかつてのクラスメートの行天。二人は、さして親しかったわけではなく、むしろとある因縁があって卒業してから一度も会ったことがなかったのですが、再会したその日からずるずるとコンビを組むことになります。やむなく、仕方なくコンビを組んだ多田は行天の変貌ぶりに首をひねります。学生のときは無口で学校では一言も話さないものの勉強もスポーツもできるデキスギくんだった行天は、大きくなったら、何故だかだらだらとしていて、住む家もなく着のみ着のままで、真冬なのにサンダルしかはいていないような変な大人になっていたからです。多田は、そんな彼にイラっときたり呆れたり嘆いたりしながらも一緒に事務所兼自宅で共同生活を営みます。
 そんな彼らがいくつかの事件を解決していくうちに、二人の抱えた過去や想いが明かされていく連作短編集という体裁の本書。コンビ探偵もの特有のかけあいの面白さや、一つの事件をめぐる考え方の違いや、絶妙のコンビプレーなどもしっかり楽しませてくれますし、連作全体を通じて二人がじょじょに気持ちの交流を深めていく過程等もしっかりと描かれていて楽しめます。
 三浦しをんさんの著書で、男性二人の共同生活、と紹介すると違うものを想像(ひらたくいえばBL)するかも知れませんが、そういう要素はないですので、そちらを毛嫌いする人も安心して読んでいただけます。
 本当に面白かったです。 
 この作品、うまく映像化できたらいい映画原作になるんじゃないかなと思います。

女性作家が書いた男二人組の友情?物語。
おそらく女性が読むと違和感無いだろうし、「こういうコンビっていいよね」と思うのかもしれないが、男性読者としては「なんか違うな」という感じだ。男の作家が女性を主人公にして書いた場合も女性読者からみれば違和感ありまくりなんだろうと思う。ただ、こればっかりはどうしようもないことではあるけれど。

連作短編集なのでとても読みやすい。一つ一つのエピソードもそこそこにミステリーぽさが含まれていたりしているので楽しめる。
ただ、これが直木賞受賞作というと?。まあ直木賞は作品にあげるのではなく、作家にあげる賞といわれているから、三浦しをんさんのそれまでの業績を称えていうことなのだろう。小説自体はライトな作品だし、本人もこれで直木賞を取ろうとは思っていなかっただろう。
三浦しをんの代表作ではないと思うよ。

三浦しをんの小説。
第135回の直木賞受賞作。

まほろ市の便利屋のお話。主人公は多田啓介。
そこに転がり込んだ元同級生の行天。
そして、いろいろな依頼が舞い込む。

「きみはポラリス」のユニークな発想と柔軟な展開力がとても良かったのと、直木賞受賞作で、しかも映画化までされたということで、大変期待して読んだ。

悪くはないし、そつなく手際よくまとめている。
特に、五と六はそれなりに面白く読めた。

しかし、肝心の男2人が、もうひとつ男っぽく描き切れておらず、ストーリもどこか出来過ぎのように思われた。また、これは個人差がかなりあるのかもしれないが、夢中になって読めたというほど面白いかというと、自分にとってはそこまでのことは無かった。特に何か残るものがあったということもない。

単に好みとか相性の問題だけなのかもしれない。
ただ、ちょっと期待しすぎだったのかな、と思いながら本を閉じた。

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