大軍都・東京を歩く (朝日新書) の感想

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参照データ

タイトル大軍都・東京を歩く (朝日新書)
発売日2014-12-12
製作者黒田 涼
販売元朝日新聞出版
JANコード9784022735928
カテゴリジャンル別 » ノンフィクション » 歴史・地理・旅行記 » 紀行文・旅行記

購入者の感想

1945年8月15日まで、東京の主役は“軍”であった。世界でも屈指の一大軍事施設集中都市だった。中心には「三宅坂」の参謀本部・陸海軍省の建物がそびえ、街路では戦車や兵士が行進し、そこかしこに兵舎が建てられ・・・はたまた成増からは特攻機が発進し、王子では数十万の銃弾が製造されていた。

皇居に隣接する北の丸公園内にあるレンガ造りの瀟洒な東京国立近代美術館工芸館が元近衛師団司令部だったことや、東日本大震災で天井が崩落し解体される九段会館が在郷軍人会の軍人会館であったことは有名、空襲で消えてしまったものも多いが、かつて威厳を誇った遺構は形を変えて今でも残っている。

本書は数多いカラー写真や要を得た地図により、初心者にもわかりやすい。

世界的なビジネス街の丸の内は明治初期には陸軍の実戦部隊が置かれていたが、三菱の岩崎弥之助の先見の明により今日の発展を築いたのである。

丸の内から移転してきた近衛師団第三連隊があったのが境界石だけが残る赤坂見附。第一師団歩兵第一連隊は以前の防衛庁本庁で今のミッドタウン。同第三連隊の兵舎が国立新美術館別館に残されている。他にも外苑前やら代々木公園やら市ヶ谷台やら早稲田など細かく紹介したい場所は数多い。

あまり知られていないのが野球の殿堂・東京ドームのドームホテル裏には東京砲兵工廠の残骸がある。

東京北部の赤羽や板橋には加賀前田家の跡地を使って火薬製造の造兵廠や「師団坂」という地名も残っている。さらに十条・王子には自衛隊王子駐屯地や小銃弾製造工場を改装して利用している北区中央図書館なども。目黒、世田谷、中野、練馬も見逃せない史跡がある。

本書がカバーするのは「東京23区」なので、著者には是非足を伸ばして三多摩、神奈川、千葉あたりもご案内いただきたい。

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