黒船の世紀―ガイアツと日米未来戦記 (日本の近代 猪瀬直樹著作集) の感想

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タイトル黒船の世紀―ガイアツと日米未来戦記 (日本の近代 猪瀬直樹著作集)
発売日販売日未定
製作者猪瀬 直樹
販売元小学館
JANコード9784093942423
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 全集・選書 » 個人全集

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 1853年,黒船が浦賀に現れる.日本は不平等条約を押し付けられ,同時に,他のアジア諸国は植民地となっていく.その中で明治の日本人は,維新を起こし,富国強兵をスローガンとして掲げ,国家建設に励んだ.経済的に豊かになり,軍艦を持ち,独立を守る,という必然的な国家目標を持った.この”坂の上の雲”に向けて,走り抜けた結果が,ロシア撃退であり,この日,日本は,一つの国家目標を達成したのである.
 そのわずか40年後,日本はこの貯金を見事に食い潰し,敗戦を迎える事になる.何故,こうなってしまったのか.晩年の司馬遼太郎が匙をなげたこの疑問に,猪瀬直樹氏は格闘している.その第一の調査結果が『昭和16年夏の敗戦』である.これを読むと,日本が日米開戦に踏み切ってしまう構造的問題・人的問題に加え,理性的な判断をかき!消してしまう”ある空気”が浮かび上がる.すると次の疑問は,”この空気の正体は何か”に違いありません.『黒船の世紀』では,この空気の醸成されていく過程が,再現されている.
 米西戦争によってフィリピン・グアムを割譲したアメリカに,日露海戦における圧倒的勝利がもたらす,奇妙な緊張感.不平等条約改正とバーターで可決された排日土地法.第一次大戦の総力戦の地獄を経験しなかった日本の幸と不幸.そして,姿を変えながら出版される日米未来戦記..
無数の事象が,少しずつ"空気”を作り上げる.その様子が,一冊の本になっている.興味を持たれた方,是非どうぞ.

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