ドリアン・グレイの肖像 (新潮文庫) の感想
参照データ
タイトル | ドリアン・グレイの肖像 (新潮文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | オスカー ワイルド |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784102081013 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学 |
購入者の感想
音楽・映画・文学などあらゆるジャンル、新旧を問わず、最も影響を受けた作品の一つだと思います。この小説はなんといってもヘンリー卿(オスカー・ワイルドそのもの)の存在感が強烈です(登場していないシーンでも存在感を放っているほど・・・)。彼は現代に生まれていたらほぼニート扱いで、まったく相手にされないような口達者なだけの男かもしれないですが、作中では歩く金言集といえるほど、不道徳でブラック・ユーモアたっぷりの名言を連発し、やがては絶世の美男子ドリアンを破滅させます。『「美」は「天才」の一形式である・・むしろ「天才」より説明を必要としないのだからより高次なものである』とかドリアンにのたまうわけです。実際的で合理的なことを嫌い、道徳心などかけらもなく、さらにはニヒリストで、ただただ頽廃的美学に身を任せることを愛する人に最適の本。