ローマ人の物語〈8〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(上) (新潮文庫) の感想

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タイトルローマ人の物語〈8〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(上) (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者塩野 七生
販売元新潮社
JANコード9784101181585
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

カエサルです。
研究者が次々と惚れこんでしまう(?!)・・という歴史的人物の開幕。
ここから、ルビコン越えまで、一気に読むことをお勧めします。
 
・・というより、夜も眠れず、駆け抜けてしまうことでしょう。
天才司令官率いるローマ軍の熱き戦いを堪能してください。
 
もちろん、文句なしの☆5つ。

 この巻ではカエサルの誕生から青年期までが描かれる。したがって、時間的には第7巻で扱われたマリウスとスッラの時代と重複する部分もある。けれども、第7巻は時代を動かしていたマリウスとスッラの側に焦点を当てていたのに対し、この巻ではカエサルが主役になるので内容的には重ならない。

 読後の感想としては、次の3つが印象に残った。

 第一は、著者の塩野さんの物語の運び方が巧みなことである。カエサルの幼少期のことなどは不明なことも多く、その時期に焦点を当てて物語を進めることは大変だったと思う。しかし、著者は、カエサルの生まれた地区の特徴であったり、ローマ貴族における子弟教育のあり方、ローマの住宅の特徴など、他の書物では全く触れられないか、触れられてもぞんざいに扱われてしまうような事柄を丁寧に検証することで、カエサルがどのように育ったのかについての著者なりの推測を巧みに進めている。

 第二に、カエサルの人物像がとても活き活きと描かれていることである。「カエサルと女」「カエサルとお金」などは、まるで同時代の新聞記者による「カエサル特集」の記事の一部であるかのように分析に富んでいて面白かった。ここで扱われている内容が2千年以上も前の歴史的人物に関することであるとは思えないくらいだった。カエサルという人物の魅力にも依存するのだと思う。

 第三は、カエサルの知性の明晰さである。塩野さんが引用してくれたカエサルの演説の巧みさは筆舌に尽くしがたいものがあった。

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