未完の憲法 の感想
参照データ
タイトル | 未完の憲法 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 奥平 康弘 |
販売元 | 潮出版社 |
JANコード | 9784267019753 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 法律 » 憲法 |
購入者の感想
憲法と聞いただけで私のような理系人間は身構えてしまう。立憲主義といわれても抽象的にすぎる。改憲を国民投票に問うと言われても判断するリテラシーがない。私にはそもそも憲法に口出しする資格がない、と思っていた。
ところが、本書を読むと畑違いの私にさえ憲法の底力が染み込んでくる。長年研鑽を積み、謙虚かつ楽天的な老憲法学者(故人)と憲法が現在向き合っている諸問題に切り込む若手憲法学者との筋道の通った対談だからである。
日本国憲法(含む第9条)は「今後国際連合軍が作られるであろう」ということが前提にあったと述べられている。納得である。第9条を守るためにも品性あるメンバーとして日本は国連強化に努めなければならない。
憲法は未完のプロジェクトであり、完に近づけるためには国民の文化力が問われるとある。日本国憲法を普遍的な知的財産に高めるためには想像力が欠かせない。本書は期せずして憲法入門書にもなっている。
ところが、本書を読むと畑違いの私にさえ憲法の底力が染み込んでくる。長年研鑽を積み、謙虚かつ楽天的な老憲法学者(故人)と憲法が現在向き合っている諸問題に切り込む若手憲法学者との筋道の通った対談だからである。
日本国憲法(含む第9条)は「今後国際連合軍が作られるであろう」ということが前提にあったと述べられている。納得である。第9条を守るためにも品性あるメンバーとして日本は国連強化に努めなければならない。
憲法は未完のプロジェクトであり、完に近づけるためには国民の文化力が問われるとある。日本国憲法を普遍的な知的財産に高めるためには想像力が欠かせない。本書は期せずして憲法入門書にもなっている。
わが国における憲法学の権威である奥平先生と、新進気鋭の憲法学者である木村草太先生という、対談の組み合わせ自体に興味をそそられて読みました。
「憲法とは何なのか」というそもそも論から始まり、「憲法解釈による集団的自衛権の容認」がいかに憲法のあり方そのものを揺るがせにしていくか、といった現代的課題に至るまで、広範なテーマを対象に語り合われています。両者が深い考察をもとに端的に分析を進めている点が好感。
いわゆる改憲勢力がそのベクトルを強めているように感じられる昨今ですが、それら勢力が展開している主張の根拠がいかに薄弱なものであるかが浮かび上がってくる点が、本書の秀逸なところといえるでしょう。
一読の価値あり、でした。
「憲法とは何なのか」というそもそも論から始まり、「憲法解釈による集団的自衛権の容認」がいかに憲法のあり方そのものを揺るがせにしていくか、といった現代的課題に至るまで、広範なテーマを対象に語り合われています。両者が深い考察をもとに端的に分析を進めている点が好感。
いわゆる改憲勢力がそのベクトルを強めているように感じられる昨今ですが、それら勢力が展開している主張の根拠がいかに薄弱なものであるかが浮かび上がってくる点が、本書の秀逸なところといえるでしょう。
一読の価値あり、でした。