進学格差―深刻化する教育費負担 (ちくま新書) の感想
参照データ
タイトル | 進学格差―深刻化する教育費負担 (ちくま新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 小林 雅之 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480064615 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 教育学 » 一般 |
購入者の感想
圧倒的な統計データと著者の長年の研究成果を元に、進学と経済の問題について論じている。とりあえず、自分の息子や娘を「大学」まで進学させたい教育熱心な親は読んでおいて損はない。
本書の高評価のポイントはなんといっても、進学と年収との相関関係についての圧倒的なデータ量である。一般論として、学力と親の平均年収には正の相関があると言われるが、それを男女別・年収別に細かく区分するなど大変興味深く参考になる。
東大生の親の平均年収は軽く1000万を超えていると言われるが、本書を読めばその理由が痛いほど分かるはずだ。その他にも、海外における奨学金事情・大学教育事情などを記述し、マクロな視点から日本の進学格差について深く考察することができる。
マイナスポイントとしては、圧倒的なデータ量を用いた統計データばかりで、やや一般読者がきちんと咀嚼するには時間がかかる印象を受けた。「新書」なのだから、論文風ではなく、学生や親へのインタビュー記事を多くとりいれるなどの工夫をして欲しかった。これは、「ちくま新書」全般に言えることであり、全体的にお堅い印象を受ける。ぜひ、改善して欲しいところである。まあ、著者が東京大学の教授なのだから堅い文章になることは想定の範囲内のことではあるが。
【学力と経済格差に興味をもった方に読んでもらいたい参考図書】
学歴ロンダリング (光文社ペーパーバックスBusiness)
学歴社会の法則 教育を経済学から見直す (光文社新書)
本書の高評価のポイントはなんといっても、進学と年収との相関関係についての圧倒的なデータ量である。一般論として、学力と親の平均年収には正の相関があると言われるが、それを男女別・年収別に細かく区分するなど大変興味深く参考になる。
東大生の親の平均年収は軽く1000万を超えていると言われるが、本書を読めばその理由が痛いほど分かるはずだ。その他にも、海外における奨学金事情・大学教育事情などを記述し、マクロな視点から日本の進学格差について深く考察することができる。
マイナスポイントとしては、圧倒的なデータ量を用いた統計データばかりで、やや一般読者がきちんと咀嚼するには時間がかかる印象を受けた。「新書」なのだから、論文風ではなく、学生や親へのインタビュー記事を多くとりいれるなどの工夫をして欲しかった。これは、「ちくま新書」全般に言えることであり、全体的にお堅い印象を受ける。ぜひ、改善して欲しいところである。まあ、著者が東京大学の教授なのだから堅い文章になることは想定の範囲内のことではあるが。
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