黄色い本 (KCデラックス アフタヌーン) の感想
参照データ
タイトル | 黄色い本 (KCデラックス アフタヌーン) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 高野 文子 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784063344882 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック |
購入者の感想
寡作ながら、色あせない作品を発表し続ける新潟県出身の高野文子さん。表題作「黄色い本」は新潟弁満載(たぶん、北蒲原郡五泉・安田あたりの言葉だと思います)で、ほかの地方の人が読んでわかるのかな?と思う言い回しもあります。主人公が就職を決意したメリヤスが、実際にこの地方では盛んで、このような細かいディテールに毎度ながら感心させられます。
どこかの書評に「主人公は家に居場所がなく、読書に逃避し就職を決意」と書いてあったのですが、読んでみると、主人公がジャック・チボーに寄せる思いは思春期特有の甘い疎外感で、けして現代の家庭のような親子の断絶ではない。むしろ主人公の父は、娘とその愛書「チボー家の人々」を暖かく、そしてシャイな新潟県人らしく無骨に受け入れてます。主人公の心の動きはまさに「親離れ」しようとする思春期の少女の発達段階を示していると言えるのではないでしょうか。「黄色い本」は、題材となった「チボー家の人々」と同様、ながく読み継がれていく作品だと思います。
どこかの書評に「主人公は家に居場所がなく、読書に逃避し就職を決意」と書いてあったのですが、読んでみると、主人公がジャック・チボーに寄せる思いは思春期特有の甘い疎外感で、けして現代の家庭のような親子の断絶ではない。むしろ主人公の父は、娘とその愛書「チボー家の人々」を暖かく、そしてシャイな新潟県人らしく無骨に受け入れてます。主人公の心の動きはまさに「親離れ」しようとする思春期の少女の発達段階を示していると言えるのではないでしょうか。「黄色い本」は、題材となった「チボー家の人々」と同様、ながく読み継がれていく作品だと思います。