極上 潮吹き温泉/ICHIKA・乃亜ほか [DVD] の感想

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　　この作品は、乃亜を温泉旅館の女将に、そして仲居にあかねを起用し、それに他のイチカと琴梨の二人を準主役として配役している。五人の女優が共演するので、続編「伝説の乱交パラダイス温泉」のような空疎感はない。
　　乃亜は、冒頭から天与の美貌を誇り、近寄り難い美しさを醸しだしている。しかし、彼女が髪をアップに結い、脱衣すると、この作品を撮影していた時期の乃亜の肉体の弱点が表われる。つまり乃亜は、ここでは一時的とは言え、やはり痩せ過ぎである。なかでもその上半身は、肉を落とし、骨格が浮かび上がる。その結果、アップの髪での裸体は、いささかバランスが悪く、何か案山子然とした印象を観者に付与することになる。
　　その弊は、三つの情交の場面に顕著に表われている。それは、最初の室内風呂での乃亜／イチカの4Pの情景でより明瞭である。乃亜が騎乗位で、「メガネっ娘コレクション」で共演した経験もあり、相性の良さそうな男優と交わる際に、折れそうなウエストや華奢の上半身は、観者の興を殺ぐことになる。それは、この情景で共演しているイチカがヴォリューム感のある肉体を誇っていることから、大いに助長されている。それにも拘らず、その情景の最初には乃亜が腰布を脱ぐ際に、その長い足が彼女の体側に沿って足の先まで表われる。観者は思わず気絶寸前となるほど美しい。
　　しかし、情景全体は、乃亜が主導して醸しだす濃厚な淫媚な雰囲気によってやはり忘れられないものとなっている。それは、フックスの大著「風俗の歴史」における16世紀ドイツの風呂風俗の全盛時代とそれを版画に表現したデューラーの作品の何枚かを想起させる。
　　一方、８P乱交は、乃亜が相手の若い男優を軽視していることそして危惧していた通りの乃亜とあかねの相互互助会的な雰囲気が他の二人の女優の熱演を相殺し、まったく盛り上がらない結果となっている。乃亜の演技に唯一見蕩れるシークエンスがあるとすれば、男優が昇天した後で、乃亜が正常位のまま床に横たわりながら右に左に体を揺りながら、他の女優たちが男優を昇天させることを待っている場面であろう。骨盤が出っ張りながらも、頭から足の先まで俯瞰出来る乃亜の肉体は、とても魅力的である。しかも頭部には形の良い鼻と紅い唇が極めて蠱惑的である。