空に刻んだパラレログラム の感想

69 人が閲覧しました

素直に面白かったです
空を飛べなくなった主人公が空に恋い焦がれる素質ある素人の少女に、空の飛び方を教えるという、どこぞの某エロゲとそっくりの設定ではあるものの、話は全く別物で楽しめました。

まず最初に言いたいことは、これはヒロインたちの成長物語です。ヒロインたちの悩みやトラウマを主人公を中心に色々な人との関わりを経て乗り越えていき、改めて空の楽しさを思い出すまでの物語です。主人公は過去のトラウマを乗り越えていて、精神も成熟しているため、これをきっかけに大きく成長したという感じはしません。ただ逆に言えば、変な意地を張ったり意味もなく無謀な行動をとったりもしないので、落ち着いて話を進められました。

良くない点もいくつかあります。
一つは競技の進行がわかりにくい点です。あれだけ連携重ねたり会話したりしているのにも拘らず、殆どゴールに近づいていなかったり、逆にあまり描写がないのにゴール付近でせめぎあっていたりということがあり、実況を介してプレイヤー側に状況が伝わるので、映像が思い浮かびにくかったです。また油断による失敗が多すぎるのもどうかと思いました。もちらん敵を抜いた後やゴール直前で油断するのはわからんでもないですが、それにしたって油断が原因でチャンスを無駄にすることが多すぎて、やっていてまた油断かよ…と感じるシーンが多々ありました。
あと同じ作戦に何度もはまる敵にもお馬鹿なのかな？と突っ込みたる点もありましたね。

二つ目は共通ルートとTRUEルートはとても良く出来ていたものの、個別ルートは少しだけ作りが雑だったかなと感じます。盛り上がりにもかけるので全体的に印象が薄いですね。

三つ目は第1と第2に部活が分かれていて、第2が差別を受けているのですが、差別そのもののを部員たちが受け入れてることです。もちろん長い間の差別で、差別そのものに疑問を持つことがなくなったという背景はあるんでしょうが、それにしてもお前らは弱いから言うこと聞けの一言で、みんな第1の傀儡なのは如何なものかと思います。差別を受け入れた上で下克上を目指すキャラもいますが、差別そのものに抵抗を示すキャラがいても良かったのではと思いますね。