ゴールデン☆ベスト テレサ・テン[スペシャル・プライス] の感想

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アイドル路線の「今夜かしら明日かしら」―作曲は筒美京平さん―で日本デビューを果たしたテレサだったが、オリコンでは最高84位とヒットにはならず、そんな中、もともとテレサが「演歌“も”こなせる女の子」だったことから、第２弾シングル「空港」からは演歌路線に転向。これがセールス上でも好結果をもたらし、日本でのテレサはおもに“演歌の人”として活動して行くことになった。
このベスト盤では、その「空港」から、生前最後のオリジナル・シングルとなった「あなたと共に生きてゆく」―作詞は坂井泉水さん、作曲は織田哲郎さん―まで、日本で発売されたテレサのシングル曲の中から18曲を、発売順に聴くことができる。
その歌声からだけでも、可憐さ、懸命さ、そして「つぐない」あたりからは豊かな表現力、そしてふわっ、とした包容力までも身につけ、歌手としてどんどん成長していった様子が伝わってくるのではないだろうか。
個人的には、このベスト盤への評価は、前述の「今夜かしら明日かしら」や「アカシアの夢」「ジェルソミーナの歩いた道」「涙の条件」といったあたりが抜けてしまっていることもあって☆４つ、といったところなのだけれど、なんといってもプライスが驚異的なだけに、とりわけ、テレサのCDをまだ持っていない方の“はじめの１枚”として、おすすめできるものだと思う。
なお、もう少し多くシングル曲を聴きたい、という方のためには、先ごろ出た『生誕60年 ダイヤモンド・ベスト』―上記の４曲をすべて収録している。ただし「東京夜景」が入っていないなど、コンプリート盤ではない―など、他にもさまざまなベスト盤が出ている。